第4話一続きの世界
黄昏の後、空に輝くのは「神々の黄昏」。
世界樹「ユグドラシル」は聖書の楽園の樹と同じもの。根元に居る竜は「竜座」にあたる。
自身を自分に対して捧げた「オーディン」。伝承では首を吊り、タロットの絵では足首を吊る。天球の北部にある王の星座「ケフェウス座」を北欧神話の主神に当ててみる。
最も美しい女神とされる「フレイヤ」は、愛と美の神、また子宝や畑に恵みをもたらす神とされている。「オーディン」の妻「フリッグ」に取って代わった女神でもある。「畝」と「葉」を合わせた星座「乙女座」がふさわしい。
雷神「トール」は、ギリシャ神話の英雄「ヘラクレス」に似ている。「ヘラクレイオン」と呼ばれた都市が「トーニス」と呼ばれる都市でもあったように、同じ場所で輝く。
「ヘルクレス座」が持つ「枝に絡まる蛇」と「蛇座」は最後の対戦相手ではない。
蛇を倒したのち、9歩進んだところで絶命する。蛇の毒が回ったことによって。「竜座」の頭を踏む足から水平に90度移動した場所には「海蛇座」の頭部が輝いている。
隻腕の軍神「テュール」には「ペルセウス座」をあてる。彼の腕を食いちぎった「フェンリル」は狼。天球の真裏、対峙するように「狼座」がある。
神の世界に吉凶もたらす「ロキ」。神々の命の輝き維持する「りんご」とその木を見張る者を、自分の保身の為に捉えさせた。こうして「イドゥン」は「アンティノウス座」のように鷲に捕まり、消えてしまった。
衰え行く神々に怒られた「ロキ」は鷹に変身し「イドゥン」を「胡桃」に変えて奪還し、アスガルドへの帰還をゆるされる。
神々に最も愛された光明神「バルドル」を奸計で殺害する。その死の悲しみと怒りによって罰を受ける。山奥の洞窟に繋がれ、顔の上に毒がしたたり落ちるように、蛇を頭に括り付けられるというものを。
「ペルセウス座アルゴル」を「ロキ」にあてる。
「メデューサ」は神の罰によって髪が蛇になり、首切り落とされた時に「ペガサス」を産む。「ロキ」もまた「スレイプニル」という名の馬を産んだ過去あり。
週、曜日の概念は古代バビロニアで生まれ、紀元前1世紀頃のエジプト、ギリシアで完成した。
七曜とは太陽と月と五惑星。一曜が1時間ごとに地上を守護すると考えらえており、順序は地球から最も遠い星「土星」から始まり、内側へと進んでいく。24時間たって翌日の第1時間目の守護星は「太陽」となる。
「土星」「太陽」「月」「火星」「水星」「木星」「金星」の順番で第1時間目の星が現れる。この守護星を同時に1日の守護星とするようになり、それぞれの星の名で呼ぶようになったとされる。
英語の曜日の名には北欧の神々が用いられている。
火曜日は「テュール」の日。軍神つながりで、ローマの「マルス」と同一視され、火星の日の語源となる。
水曜日は「オーディン(ウォドン)」の日。嵐の神ともされた天候神。ローマの「メルクリウス」と同一され、水星の日の語源となる。「メリクリウス」は泥棒の神としても信仰されている。これと、高速で移動できる履物を持っている部分において「ロキ」との共通点の方が多いように感じられるのだが、「オ-ディン」が持つ「死の神」と「嵐の神」の要素は、「奪う」と「疾行」。
木曜日は「トール」の日。雷神つながりでローマ神話の主神「ジュピター」と同一され、木星の日の語源となる。
金曜日は「フレイヤ」の日。ローマの愛と美の神「ヴィーナス」と同一され、金星の日の語源となる。
土曜日は「サトゥルヌス」の日。この神は北欧ではなくローマの神で、土星にもその名がつけられている。ギリシャ神話の「クロノス」と同一される神で、主神の父なる神。「黄金の時代」においては主神の座にあり、鎌を持つ農耕神であるとされる。
土曜日だけが、北欧の神の名でない理由を「鎌」が解く。「オーディン」は「死神」であるとも伝承されている。鎌を持つ神で想起するのは、まさに「死神」。自身を自分に捧げる行為が「死んで甦る」事を意味し、それにより「父と子の同一」をも意味するものと考えるなら、土星の日も北欧の神に同一される要素あり。「オーディン」は世界樹の上に住むという。セフィロト樹の頂きで輝く星座「オリオン座」は初代のエジプト王だという伝承がある「オシリス」でもあるとされている。「ケフェウス座」は太陽を継承する王であるから、これも「父と子」の繋がりを感じる。
あらゆる信仰が同じ場所の輝きを見つめる。
日曜と月曜はべつの地域の神を当ててみる。
ソグド語で日曜日を意味する「ミール」はゾロアスター教やマニ教において、太陽神とされた「ミスラ」に由来する。インドの「ミトラ」と起源を同じくし、その名は「契約」を意味する。西洋で信仰された「ミトラス教」も同じ起源だろう。牡牛を殺す姿で表される「ミトラス」は天文絵図の「オリオン座」とその周辺の星座そのままだから。
ペルシャ神話やゾロアスター教の世界には、世界海の中心に「ハオマ(生命)」と呼ばれる巨木があるとされている。癒しと不老不死を与える霊薬が、その実から作られる。インド神話において「ソーマ」と呼ばれる神酒であり、月神ともされる。この巨木には巨大な鳥が住んでおり、美しい羽毛は治癒の力をやどし、親鳥は雛が育つと火に飛び込んで死ぬとされる。まるで「不死鳥」のごとき鳥である。
エジプト神話において、夜の時間地上を加護する月の神「トート」も鳥の姿で表されている。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の安息日の違い。これはそれぞれの宗教の大事なものを伝える方法だったのかも。
土曜日なのは、現在の曜日の順番の起源を伝えるために。
日曜日なのは、子である神が太陽であることを伝えるために。
金曜日なのは、新しい暦を周知させるには「畝」が重要であると伝えるために。
「クロノス」が父である天空神「ウラノス」を倒すために、母「ガイア」に大鎌を与えられている。その場面を表すのは「春の大三角」形成する星座たち。大鎌もつ「獅子座」が「牛飼い座」の「麦星」を刈り取り、それが落ちた海の泡立ちから「アフロディーテ」が生まれる。スパイクの様な、青麦有する「乙女座」が。
真珠のような白色の「デネボラ」が三角形の一点となる季節に、太陽が蜃気楼によって口を開いた二枚貝のように見える「だるま朝日」の現象が起こり、「明けの明星」と重なる事があったなら、絵画のような「ヴィーナス誕生」になりますね。
エジプト神話の偉大なる母「イシス」は、秘密にされていた「ラー」の名前を知ることで、神の力を得たとされる。「ラー」の前に蛇を置いて噛ませ、名を明かさせたという。
タロットカードで「力」を意味する絵柄は「獅子とそれを制御する女性の姿」で表されている。これは「獅子座」と「畝」を組み合わせたものと同じ構図。「海蛇座」を組み合わせれば、神話の場面に符合する。
「イシス」の得た力とは何か。彼女の姿を残したものには「聖母子像」に似たものがある。子供時代の「ホルス」を抱く姿だ。
摂政として、実質的な王に君臨したという事。男しかなれぬ「ファラオ」と同等の権力を手に入れた。百獣の王「ライオン」には男の神が変身するけれど、アフリカ大陸最強生物「カバ」に変身するのは女の神。
「百合紋章」はどこか「トライデント」に似て。これは母なるものの右手「カシオペア座」を意味するからなのか。
「蓮」と「睡蓮」の花の形もどこか似て。ファラオが転生する時は「蓮」の花から生まれる。エジプト王家の子「アンドロメダ座」はその側に輝き、王の子「ブッダ」も蓮華台に乗る。「睡蓮」は「ウォーター・リリー」で、聖母の象徴は「白百合」である。
「母親最強説」が神話の時代からあるのは、子を守るための武器を持っているからなのかも。
「ツタンカーメン」の墓は本来、義母の為に作られたものだという説について考察。壁画に描かれている王の持ち物に注目。「畝」である「獅子の尾」二つ持ち。「獅子の大鎌」持たせてもらえていないから、女性の王(摂政)の可能性高そう。
「乙女座」が愛と美の女神の姿だと伝承されるようになったのは、争いの女神「エリス」による。英雄の結婚式に呼んでもらえなかった腹いせに、美女を自認する三人の女神の間に「最も美しい人に贈る」と書いた「金のリンゴ」を投げ入れる。そうして起きた争いの裁きは、トロイの王子「パリス」に任されることになった。
「パリス」は至上の権力を与えると言った「ヘラ」と、この上ない名声を約束すると言った「アテネ」ではなく、世界一の美女を妻にしてあげると言った「アフロディテ」の言葉に心動かされる。
こうして「セフィロトの樹」のセフィラ(実)の場所「乙女座」は「アフロディテ」の姿だと伝承されるようになったのだと思われる。
ここで問題なのが「ヘラ」と「アテネ」。納得しなかったんだね。「パリス」は他国の王妃を妻にすることを願った。それが原因で戦争が起きてしまう。
トロイ市の守り神は「アテネ」。加護の力秘める女神の木像を、敵方に奪われるままにして、王家の者が全滅されるままにした。
「春分の日」を元日とする暦において「乙女座の月」は6月になるのだ。「6月の花嫁」を加護するのは「ヘラ」。夫が妻を取り戻す時、彼を加護したのかは分からないけれど、トロイは消滅した。
「女を怒らせてはいけない」この教訓は、世界に広がる。
4人までの妻帯を許されている教義の世界にあっても、この妻たちの完全な平等を、厳しく義務付けている。そしてこの世界は、最も高貴な女神とされている「ヘラ」の眷属「クジャク」を「悪魔」だとしている。美しい鳥だとしても、外来種だから検疫せずに持ち込めば、生態系や家禽を脅かすことになるから、まあ「悪魔」としておいた方が良いのかもしれないけど、仏教の「孔雀明王」は、人に降りかかる禍を取り除いてくれる、慈母だとされているよ。
敵ではなく、味方になってもらえるような言動が大事。
旧約聖書続編の「ユディット」が帰還する場面は、「天の川」を道に例えればすぐにそこだと分かる場所。女主人は「カシオペア座」、侍女は「ペルセウス座」。
北欧神話の世界、半死半生で生まれた「ヘル」。綴りによって「ヘラ」と呼ばれる女神はその姿から冥界に送られ、そこの統治者にされた。
幸せを求める心の在り方で、地獄を見る人と見ない人とに分かたれる。
天の神が「美しい星々」を作った事に対抗して、地の神が作ったものが「花々」であると、伝承される。
「✳(星)」のような「*(花)」のような記号「ディンギル」はその後に続く楔型文字が神の名であることを示すもの。「△」と「線」の組み合わせ、これは星座の起源になるのかも。同時に「神は言葉である」の起源にも。
大地を豊かにし、パンの為に麦を刈る姿と、大地を命の草刈り場にして疲弊させる姿とを、子らは御親にどちらの姿を求め、どんな親になろうとするのだろうか。
「言葉」は紛争の芽を摘めただろうか。子らは、未来の為に実りある種子を蒔けるのだろうか。
死者にムチを打ってはならない。紛争が終息しても、次世代に恨みが継承されてしまう。敵としていた者を、親を弔うのと同じにしなくてもいいけれど、友を思うぐらいには弔うべきだ。同じ星に帰る者達なのだから。
「平和」を望むという事は「復讐の機会を永遠に失う」事を受け入れる意味だ。和平が成立した後に「復讐」する者は、神の戒めを破る「罪人」として裁かねばならない。その者が紛争によって生きる支えとなるものすべてを失った事を知っていたとしても。また、戦闘員の削減によって失業者が生まれるという事も同時に起きる。
民衆の不興を買う事を恐れ、失業することを恐れる「心弱き者」に「平和」を手にする資格は無い。勇猛なる戦士たちが「心強き者」として「平和」を手に入れ、神の元へとへ参れることを切に願う。
聖書の秘密 @Aren8H
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