第2話新約聖書編

 キリストの生涯は、もれなく星座に置き換えられる。東方の三博士をギリシャ神話の全知全能の神が変身した姿「鷲座」「琴座」「白鳥座」で表す「夏の大三角」その側にある井戸、天井でなく天上の井戸「ペガスス座」を覗き込んだ先、裏側にある「コップ座」の絵図上で輝く「獅子座デネボラ」が王の輝き「ベツレヘムの星」だ。

 「ムル・アピン」に記された「シュパ」は神の事で、現在の「牛飼い座」にあたる。聖母マリアを「乙女座」とすると「牛飼い座アルクトゥルス」、「乙女座スピカ」、「獅子座デネボラ」で造る「春の大三角」が受胎告知の場面にあたる。

「牛飼い座麦星」がパンを「乙女座葡萄摘み星」がワインを表し、イエスの血肉となる星々。


 飼葉桶と言われる「プレセペ」のある「蟹座」で誕生する。ギリシャ数字「Ⅹ」の輝く場所で。その後、殺害の危機から逃れるためにエジプトの地へ。王家の家族「ケフェウス座」「カシオペア座」「アンドロメダ座」輝く場所、天球の左側に移動する。 


 天の川の中、古代の「水瓶座」より水が注がれる所、太陽の権威を継承する者「アンドロメダ座」が洗礼の場所で、救世主を表す。太陽の道「黄道」上の星座を弟子にする。

これにより、各地での伝道が始まる。


「人はパンのみにて生くるに非ず」この場面のキリストは「牛飼い座」。「貧しき者の皿」という別名もつ「冠座」の向こう側「蛇座」が悪しき者の姿。


 井戸端に佇むサマリア人女は「アンドロメダ座」。「古代の水瓶座」からの流れが途絶えた場所。冬が終わり、静かに雨が降るころに太陽と共に昇る星「サダルスウド」がある星座「水瓶座」がキリストを表す。「水瓶座」を仰ぐもの「南の魚座」には、枯れることのない水が注がれる。


「王はロバに乗ってくる」、エルサレム入城の場面は「双子座」。双子の一人は神と人との間に生まれた子供。「ポルックス」には「蟹の眼」の別名あり。「蟹座」の一部を含めてロバだった可能性がある。ちなみに、飼葉桶を挟んで向き合う二頭のロバは火の神へパイストスと酒神デュオニソスの乗る馬。酒神は「キリストの血」に例えられるワインの神。


「蛇、蝮の子ら」と宗教指導者たちの悪事を裁くキリストの姿は「蛇遣い座」。左手に「天秤座」を持ち、「蛇座」を頭と尾に分け「蠍座」を踏みつける。


 水の上を歩き、多くの食べ物を与える姿は「アンドロメダ座」。天の川の上に立ち、古代は、大魚の姿をしていた。

 

「マリヤとマルタの不公平」これのキリストの姿は玉座に座る「カシオペア座」。

神の怒りを受けた、アンドロメダとメデューサ二人。一人は救い手と幸せに暮らし、一人は化け物にされる。「アンドロメダ座」と「アルゴル」のお話。


「農園の労働者の話」。農園の主人が労働者を雇う。朝から夕まで働く者と夕から働いた者の賃金が同じ、不平等なお話。この不可解も、作物知れば理解できる。

「葡萄園」で働く者の姿は「乙女座」が表す。「葡萄摘み星」有する「乙女座」はイシュタル、イシス、デメテル、ペルセフォネ、アストレアなど、複数の高貴な女神を表してきた。


「 ゴルゴダの丘」の意味は「先祖の頭蓋」。エルサレム「獅子座」の頭の場所。

「獅子座」は「オシリス」の意も含み、エジプト星座のオシリスを表す「オリオン座」の場所へと導く。「ムル・アピン」の中で「アヌの真の羊飼いの王」と呼ばれる場所へ。

「オリオン座」の「ベデルギウス」を中心に、その周囲で輝く6個の星は、キリストの人生記す、六芒星。ツリーの頂きで輝く、ベツレヘムの星。

「御者座カペラ」はゼウスの養い親。女山羊の意味もつ。聖母マリアを示す星。

「双子座ポルックス」はゼウスの子「デオスクロイ」。「イエス誕生」を示す星。

「小犬座プロキオン」は先駆けの意。「洗礼者ヨハネ」を示す星。

「大犬座シリウス」は全天一の輝光。「パブテスマ受けた人」示す星。

「オリオン座リゲル」は「エリダヌス座」に続く。血を受ける「聖杯」示す星。

「牡牛座アルデバラン」はV字の一部。「救いの御角、救世主」示す星。


 正教会において「足台」が重視されるのは「兎座」と「エリダヌス座」に「オリオンの足台」と呼ばれる星があるから。


「磔にされたイエス」は「アンドロメダ座」で表す。「天の川」を聖骸布と見立てれば「プレアデスの両腕」は聖母マリアを。「ペルセウス座」は足を折る兵士を。「白鳥座」は十字架を背負うものを表す。 


 前5世紀頃のエルサレムの神殿を囲む壁の形が、古代エジプトで最高の供物とされた牛の前足に似ている。「北斗七星」にあたり、絵図では小さな羊を乗せたもので表現されている。「羊の門」と同じ感じに。

 イエスは自らを最後の生贄とし、人々を救済しようとした。後の世の為に、誰かが犠牲となる世界を終わらせようとしたのかも。

 素直に慈悲を受け入れて、犠牲を出す事やめましょう。


「3日後の復活」これを示すものは「アルゴル」。2日20時間48分29秒の周期で2.2等から3.5等の間を変光する星。

 デカンには有益なものと、邪悪なものがあり、邪悪なものを「デモン」と呼んでいたらしい。これが悪魔の素になったのだろう。

「アルゴル」は連星によって蝕が起きる星。光り続ける星と遮る星。悪魔の介入なんて気にしない。

「必ず、復活します」そんな約束、示す星。


「ペテロ十字」とは「逆さ十字」の事。初代ローマ法皇、第一使徒ペテロが逆さの十字架に磔されて亡くなったことから。これは「ケフェウス座」を意味する。

「天の主」とは「北極星」の事。後世「ケフェウス座」が北極星を有する星座となる。継承者に選ばれたゆえんである。「天国の鍵」とは「ラコニアの鍵」という別名持つ、ケフェウスの妻「カシオペア座」の事である。

「カシオペア座」は「北極星」を探す時の目印になる星座。「神の右手」のゆえんでもあるかもしれない。


 東洋では「月に住む兎」の話が伝承されている。猿とキツネと兎が、旅の行者の為に、木の実や魚を取ってきてもてなす。何も用意が出来なかった兎は火の中に飛び込み、自らを捧げた。兎の思いを受け取った行者は帝釈天となり、兎を永遠に輝く月に住まう事を報酬とした。

「兎座」は「オリオン座」の側で輝く。これに上記の伝承を重ねてみると「最後の晩餐」の真の姿が見えるかもしれない。

 使徒の中で自殺した者は、裏切者ユダのみである。もしかしたら「救世主の盟友」的存在であったかもしれない。

「兎座」のあるあたりは、古代エジプトでは「雄鶏」のあった場所である。

「復活祭」において兎が活躍し、肉を取り除くというラテン語由来の「謝肉祭」があり、鶏冠ある鳥を放ったり、藁人形に火をつけて神への生贄とする「感謝祭」があったりする。

 ユダの汚名を漱ぎ、名誉を回復する時、許しの時が来ているのでは。

 絶え間なく水注ぐ「水瓶座」に、春分点は移行した。


 古代オリエントにおいて、天に輝く星々を「羊」と呼んでいた。古代ギリシャの哲学者は「工人デミウルゴス」という創造主によって、星の内部で星と同じ数の魂が作られる。人は生まれ死すと、自分の生まれた星に帰ると言葉を残した。

「終末の時」とは「太陽の寿命が尽きる時」の事。太陽系の惑星は、この時すべて今の姿を変える。魂の帰る場所が失われるのだ。

 自ら輝くことのない黒き星、黒い羊「地球」を、他のすべてを失うことになっても救済するとキリストは語る。

「オリオン座ベデルギウス」はその形を変える時期を迎えそうだ。新しい太陽系の候補となるかもしれない。エリダヌス注ぐ場所、この星座が真の「約束の場所」なのかもしれない。

 帰る場所を無くした魂を「真の羊飼いの王」が導く。信じる者のみ、救われる。


 「三位一体」とは、父は「北極星」、子は「太陽」、精霊は「星座」で表されるもの。つまり「神は宇宙である」という事。死と再生が繰り返される世界。




「洗礼者ヨハネ」について考えなければならない。なぜならイエスが洗礼を受けた描写が「ブッダ誕生」と同じだからである。


 ブッダはインドの王族の子で、母マーヤの袖から生まれ出で、直後に立ち上がると右手で天を指し、左手で地を指しながら「天上天下唯我独尊」と言葉を発したとされている。この場面は天球の南北を入れ替えて、南天を上に向けた時のエジプト王家の星座たちで表現できるのだ。母マーヤの袖は「カシオペア座」含む「神の右手」の部分。生まれた王子は「アンドロメダ座」が表す。

 ブッダの誕生を祝う仏教行事「灌仏会」は右手で天を指し、左手で地をさす姿をかたどった「誕生仏」に五種類の香水を注ぐ、というもの。洗礼に似ているように思われる。 

「アンドロメダ座」を本尊としてみよう。そこに天部を配置してみる。

 本尊の向かって右手前に配置される「持国天」は右手を腰に、左手に刀を持つ姿。右手を腰に、左手に王笏もつ「ケフェウス座」。眷属「乾闥婆」は獅子の兜をかぶる姿。獅子の衣をまとう「ヘルクレス座」は「ケフェウス座」の子孫である。

 本尊の左手前に配置される「増長天」は胸の前においた右手に刀を持ち、左手は腰。前面に鬼形の従者が跪いている。右手に刀持ち、メデューサの首持つ「ペルセウス座」。

 本尊の左後方に配置される「広目天」は巻物と筆持つ姿。不格好な、種々の眼をした者の意、持つ者。目に「アルデバラン」輝き、両手のはじまり「プレアデス」持つ「牡牛座」。

 本尊の右後方に配置される「多聞天」は「神の息子」という意持つ財宝神。「宝瓶宮」こと「水瓶座」。

 上記四天王の上に立つ、四天王天「帝釈天」は雷を象徴する武器を持つ。ギリシャ神話の主神ゼウスの武器「雷霆」の運び手「ペガスス座」。「アンドロメダ座」の頭部輝く星「アルフェラッツ」を共有する。本尊の上部を守る。

「帝釈天」と同一視される「梵天」は、天の主「北極星」。


「無で空ながら在る」という存在「仏陀」とは「宇宙空間」を思わせる。唯一の神が「天使と呼ぶ星々」を従えるように「神と呼ぶ星々」を従える。


「仏陀、悟りへの道」。王子として何不自由なく暮らしていたある日、城の東門から出て腰の曲がった老人を目にする。初めて「老い」というものを知る。またある日、南門から外に出ると、痩せ衰えた病人を目にする。初めて「病」というものを知る。西門から出た時、死んで横たわる人をみる。初めて「死」というものを知る。北門から出た時、出家した修行僧に出会い、感銘を受ける。初めて「功徳」というものを知る。この内容は、天球を平面の円でとらえる。円の中心に「南極」を置いた時の地上から見える星の位置。東は「水瓶座」、南は「蛇遣い座」、西は「乙女座」、北は「オリオン座」となる。

 仏教の世界でも、導く者は「オリオン座」になるようだ。

 

 悟りを得た場所にあった「菩提樹」とは知恵の実る「セフィロトの樹」と同じもののような気がする。ならば入滅の場に在った「沙羅双樹」は、生命実る「セフィロトの樹」であろう。この樹の間に「涅槃」の姿を探すなら「乙女座」こそが相応しい。「乙女座」の近く、古代の地平線に沿って輝く「海蛇座」は冥界へ続く道を表す。シュメールの女神が冥界へ下る姿を残したものには、蛇の道が描かれる。

 六地蔵は「六道」のそれぞれに在って、衆生を救う菩薩。地蔵菩薩はサンスクリット語で大地と子宮を意味する。子供を守る存在と伝承される者。エジプト星座の「畝」を思わせるので「獅子座」が踏む「海蛇座」を道としてもいいのだろう。


 仏教の世界では、死後の魂は生きていた時の「業」によって、輪廻の輪の中、6種の世界「六道」に振り分けられる。 

「輪廻の輪」、この中にある魂を「蛇遣い座」が、輪を「蛇座頭と尾」が表す。「ウロボロスの輪」に同じ。「六道」は「蛇座」と「海蛇座」が表す。

「天道」とは天人が住む世界。人間よりも優れているが、煩悩多く解脱のできない世界。連れ去られた子を思うあまり、なすべき事を見失った、愛情深い女神「デメテル」だったり、不倫した「ヴィーナス」だったりの姿である「乙女座」。

「人間道」とは、人の住む世界。苦しみ多い世界ながら、唯一、自力で仏に会える世界。これが表すのは「牛飼い座」。ギリシャ神話においてこの星座は「北極星」有する「小熊座」の人であった時の姿とされている。

「修羅道」とは、終始戦い争う、阿修羅の住む世界。戦うことを強いられた「ヘルクレス座」を当ててみた。

「畜生道」とは、牛馬など畜生の世界。その姿から「射手座」や「ケンタウロス座」がそれを表す。

「餓鬼道」とは、飢えと渇きに悩まされる世界。コップの水を飲む事許されぬ「烏座」が、それを表す。

「地獄道」とは罪を償わせるための世界。家族を殺し、神を試した男が変えられたという「狼座」。「射手座」と「ケンタウロス座」に狙われ続ける、その場所で。

「極楽浄土」とは悟り得た者の住まう場所。仏陀の胸に刻まれた形「卍」のある場所「蟹座」がそれを表す。「天国」も「極楽」も同じ場所のようです。


「無」という概念を表す数字「0」は、インドで発明されたという。これは数式で世界の形を表す物理学の発展にとって、たいへん重要な出来事。当然「天の理」知る為にも。信仰心か向学心かの区別はできないが、「0」の為に、知識層の交流は活発だっただろう。旅の博士や行者などによって。

 各地を繋ぐ旅人の辿った道。その候補を探すのを「アラベスク」に託してみる。あらゆる地域の神聖な場所を装飾する植物連鎖模様に。

 

「火と水」を信仰の象徴とする「ゾロアスター教」が信仰されていた地域と、ギリシャ神話の葡萄酒の神「デュオニソス」の活動範囲はなぜだか同じだ。

 デュオニソスは主神ゼウスと浮気相手との間に生まれた子で、正妻の制裁により、母の焼死体から取り出され、ゼウスによって甦って神の座についた者である。 オリンポスの12神に加えられた時は、火を象徴とする竈の女神ヘスチアが配慮し、12神の座を降りた事によってなされた。

 シュメール文明時代の星座には、壺から水を流している女性の姿が描かれている。それがいつの頃からか男性へと変わってしまう。現在の「水瓶座」の位置にある星々のことだ。

 これが12神の入れ替えの話の基になっているのならば「デュオニソス」とは、「火と水」を対象とする信仰のギリシャ地方での形と言えるのではないかと思う。そして、彼を象徴する葡萄模様の「アラベスク」は遠くアフガンの地の仏教遺跡を装飾しているのだ。 神と仏を葡萄酒の神が繋ぐ痕跡である。

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