聖書の秘密

@Aren8H

第1話「聖書」は「ラジエルの書」である

「ラジエルの書」とは、天の理を記したものとされ、これまでに伝説に登場する数人の手に渡ったのみで、内容が伝わっていない書物である。

 聖書を信じるユダヤ人は、長期間迫害を受けてきた歴史があるが、その状況下で聖書の内容は伝承がなされている。にもかかわらず、なぜか重要である筈の「ラジエルの書」の内容が残されていない。

 この謎を解くために、発想を逆転させ「すべて、伝承されていた。聖書の中に」という考え方をしてみることにした。

 天地創造は、始まりと終わりの神が7日でなされた。これと似たものが、現在の天文学の言葉の中にある。「ビッグバン」である。このように聖書の内容を天文学の知識で読み解けば「ラジエルの書」の内容を知ることが出来るのではと考えた。


 人類誕生の場面、これは獅子座周辺の星座絵図に注目。

 獅子座は古代エジプトにおいてオシリスを表すものだと考えられる。冥界の王オシリスは胸元にヘカ杖と穀竿というムチを持つ姿で描かれるが、ヘカの形は獅子座α星レグルスを繋いで描く「獅子の大鎌」と呼ばれる形と同じである。動物が尾をムチとして使うのだから、絵図の尾の部分デネボラを含む周辺の星を穀竿としてみる。するとこの場所は、男性の、アダムのあばら骨のある場所であると見立てることが出来るようになる。

 エジプトプトレマイオス朝のデンデラハトホル神殿に残る天体図には獅子座の尾の部分に立つ女性が描かれている。この女性は「畝」と呼ばれており、その横に描かれるナツメヤシの葉をもつ女性「葉」という星座の二つが合わさり、現在の乙女座になったとされている。あばら骨と土でエバが誕生したのである。

 アダムに最初の妻リリスがいた説は「畝」と「葉」二人の女性が乙女座誕生に係わることを表したかったのではないかと考えられる。

 獅子座、乙女座とくれば、牛飼い座である。この星座たちの形成する春の大三角がナツメヤシ生い茂るエデンなのである。


 獅子と乙女の側には海蛇座がある。ならば生命の樹セフィロトも近くにあるはずだ。樹になりそうな気になる星座は竜座である。ギリシャ神話の中で、リンゴの木を守る役割を与えられているからである。

 竜座トゥバンは三大ピラミッド建造時の北極星である。また、北斗七星がミイラの口開けの儀式に使われる道具「メスケティウ」とされている事とトゥバンと北斗の位置関係から考えると、トゥバンはオシリスの魂とされていた事が予想でき、人類の父祖を意味する星とすることが出来る。

 トゥバンを中心に置いて天球儀を見ると、星の周辺には神話の中で親子関係のある星座がいくつかある。牛飼いと乙女、大熊と小熊、大熊と牛飼い、ケフェウス、カシオペアとアンドロメダ、ペルセウス座アルゴルとペガススに。

 生命の樹を家系図と捉えるならば、このあたりの星座が怪しい。でもこれは間違い。ギリシャ神話の中で人の寿命を、蝋燭が炎を灯していられる時間としている事から、ユダヤの中で燭台として残されている方の答えだ。セフィロトの樹は何処にあるのだろうか。

 オシリスをファラオ「人間の王」としてではなく、ラー「神の王」として捉える。そのままに、神の世界の存在として伝承されているものを天球の中に探してみた。樹の実セフィラを司る天使たちをである。


 旧北極星「竜座トゥバン」から、旧南極星「エリダヌス座アケルナル」に向かって進む10から1への階級。

10、サンダルフォンは「竜座」「ヘルクレス座」それから、シュメール文明に残された「ムルアピン」に伝わる、現在の蛇座、蛇遣い座、鷲座のあたりにあったとされる「星」とで現される。

09、ガブリエルは女性的な姿で描かれるので、エジプト星座の「葉」

08、ラファエルは旅人の守護者という肩書から杖を突く姿の「牛飼い座」

07、ハニエルは炎のムチ持つアナフィエルと同一視され、愛と美を司るため、ヴィーナスを想起させるので、エジプト星座の「畝」である「獅子座」

06、ミカエルは左手に天秤を携えているので、左手に天秤座がある「蛇遣い座」

05、カマエルは火星の支配者、神を見る者。アンタレス有する「蠍座」

04、ザドキエルは慈善、慈悲、記憶の天使。アブラハムの個人教授とされているので、太陽神の子、医神アスクレピオスの育て親、賢者ケイロン「射手座」

03、ザラキエルは至高の母、女性原理の象徴。巨大な一つ目の姿。ヴィーナスの変身した姿とされる、南の一つ星、フォーマルハウト有する「南の魚座」

02、ラジエルの名の意は「神の秘密」秘密の領域と至高の神秘を司り、白い炎で描かれる。船首を白い靄で隠した「アルゴ座」が相応しいだろう。

01、メタトロンはサンダルフォンの双子の兄弟「エリダヌス座」「オリオン座」

「ムル・アピン」において「杖」とされる、五芒星の形をした「御者座」の組み合わせ。10と01似ている双子。

「神に似た者」と言われているミカエルも「蠍座」を入れると少し似る。天使はジンと呼ばれる精霊の姿と同じ。

00にして11、ウリエルは生命の樹の深淵。神が普遍的なものに隠し、賢い者に試練として見つけさせようとした場所にある。02,03,04,05の間に居る「神の炎」と「光の剣」を持つ存在。「祭壇座」「南十字座」の間に居る「狼座」の裏側「ペルセウス座アルゴル」がその姿。よって、生命の樹の実を守るケルビムは「狼座」


 ここで、深く考えねばならないことは、現在では悪魔の星として語られる「アルゴル」について。醜い野獣にかけられた呪いの魔法を解くために、真実の愛が必要なようだったお話のように、この星にも真実が注がれなければならない。


「アルゴル」はギリシャ神話に登場する、メデュウサの首である。かつてはその美しさから、海神に最も愛されたが、逢瀬を重ねた神殿の持ち主の女神の怒りを買って、見る者を石に変えてしまうような、髪のすべてが蛇という醜い姿に変えられてしまった。ペルセウスに首を切り落とされ退治された後は、アテネの持つ、絶対防御の盾「アイギオス」にその首を取り付けられたとされる。つまりは、善の側にいる神、アテネの眷属になっているので、今は悪魔ではない。ということになる。

 また「アルゴル」は、2日20時間48分29秒の周期で2・2等から3・5等の間を変光する星だ。約3日で元に戻るという特徴と、天球上の矢から狙われる構図とを組み合わせて考えると、ギリシャ神話の別の話に登場する神「プロメテウスの肝臓」というワードが重要となる。

「プロメテウス」は人類に火を与えてくれた、光の運び手である。そのために主神ゼウスの怒りを買い、磔にされ、肝臓を鷲に食われるという罰を受けることになった。不死性を持つ神であるために、3日毎に再生する肝臓を永遠に突かれる苦しみを与えられ続けた。これはギリシャ神話最大の英雄ヘラクレスが登場し、肝臓を喰らう鳥のすべてを射落とすまで数万年続いたそうだ。この話から想起し、古代の天球上の鳥達、白鳥、鷲、琴、烏、それから兎座付近にあったエジプト星座の雄鶏、魚座の原型と思われるシュメールの星座の燕の部分を繋いでみると肝臓の形に近いものになる。その中に「アルゴル」は輝くのだ。

 

 神に最も愛され、その事によって神の怒りを買った光の運び手といえば、聖書の世界では堕天使ルシファーである。悪魔の星「アルゴル」に符号する存在である。 北極星を天の長、主を表す星とするならば、極に近いペルセウス座は、神に近い存在であるとは言える。そこから、堕天したことにつながる何かとは、近年の研究結果を参照する。「アルゴル」は今から約730万年前、-3等級以上の明るさで観測できたと推測されている。地球から見て太陽を除く、最も明るい恒星「シリウス」よりも明るい星であったのだ。今はその輝きは失われているということが、光から闇へと落ちたとする話に繋がったのだ。

 古代では、現在の研究結果と同じ答えを、自力で導き出せる頭脳を持った天文物理学者のみ、生命の樹の深淵に近付けたのだろう。大変だっただろうけど、その天才のおかげで、堕天使は役目を終えて、再び光の世界へ帰れたようだ。あの場所にある樹の実が、それを証明しているのだから。

 

 現実世界では「リンゴ」が樹の実と言われている。しかし「ペルシャのリンゴ」が原義の「モモ」にも候補の可能性がある。

「リンゴ」は横に切ると、中心部が五芒星の形になる。

「ペルシャのモモ」を東方の言葉に変えると「胡桃」。その種子は人の頭部画像に似た形。まるで、ノームのグノーシス。

「リンゴ」は生命の実、「モモ」は知恵の実。

神のみぞ知るや、エデンの果実。




 天球儀は,天から地球を見下ろした時の星の位置を記したものである。そのため地上から見上げた時に見える星は東西が反転する。春の大三角を エデンとするとエデンの東には双子座が輝く。「ムル・アピン」には「大きな双子」と「小さな双子」という2つの双子座があったが「小さい双子」の方は現在の星座の中に存在しない。これが兄カインによる、弟アベル殺害の話である。

 双子座は、中緯度地方で毎夜同じ時刻に観測すると、約半年は双子座が見えて、残りの半年は地平線下に隠れて見えない。生と死を思わせる星座である。



ペガスス座は天の地平線に頭を付けている。そこから40度、ペガススを北に移動させ、天の川に浸す。天の川に沿って150度移動させ、たどり着く場所は「アルゴ座」。ペガススの天文絵図を反転させる。二つの星座の中の星、船という意の「マルカブ」を重ね、ペガススの頭部をアルゴ号の船首にする。これが箱舟の作り方。

 船首から40度、天の川を進むと「祭壇座」が現れる。その側にある「南の三角座」は後の世に制定された星座なので、この地をアララト山とするには疑問が残る。もう一つの候補として、完成させた箱舟から40日40夜の洪水、つまり天の川を80度進めてたどり着く「ムル・アピン」に記された「星」の場所。雨上がる場所より放たれる、鳥たちで構成される「夏の大三角」をもう一つの候補としておこう。

 天球儀には四組の夫婦がいる。エジプト星座においてオシリスである「オリオン座」と妻イシスの「畝」、「牛飼い座」と「乙女座」、「ケフェウス座」と「カシオペア座」、「ペルセウス座」と「アンドロメダ座」ノアと家族たちである。

 「蟹座」と「蠍座」、「魚座」と「南の魚座」、「鷲座」と「琴座」、「ペガスス座」と「仔馬座」、「海蛇座」と「竜座」、「海豚座」と「鯨座」、「大犬座」と「小犬座」つがいになる動物達も複数確認できる。



 「バベルの塔」は古代メソポタミア一帯で造られていた「ジックラト」をモデルにしているとされる。高基壇を持つ神殿建築で高さは20m以上あったものもあり、頂部で天体観測が実施されたものと考えられている。かつてこの地域は、星々が地上の出来事に影響を及ぼすことが出来る神々とみなしていた。 

 人間が天に近づく事は人間を神に近付ける行為と神が判断し、人々が建造した塔を崩壊させた。罰として人々の共通言語を混乱させ、無理解を生じさせ絶え間無い争いの時代がもたらされたとされている。

 だから、逆手に取ればいい。争いを無くす為には、意味の違いが起きているものを統一させればいいという事。

 世界の神話の中から星と関連付られる神話を取り出し、共通させられるものは同じものとして統一し、天文学の知識で読み解く。

 諸民族の王にして、神官の地位に就く者に必要な仕事なり。



 神がモーセに示したしるし、杖を蛇に変えたエピソードが意味するものは「ドラゴンヘッド」と「ドラゴンテイル」。黄道と白道の交点、頭が昇交点、尾が降交点。月がこの場所に来る時に、新月、満月を迎えると、日蝕や月蝕が起こる。これ以外にも、白道上の恒星や惑星も蝕を起こす。

 東洋型の龍または大蛇で表現される生き物の頭と尾。天動説時代に、蝕が起こる原理が解らずに、見えない天体に食べられると考えていた。

 これに、連星系が起こす蝕変光と掩蔽を組み合わせて、エジプトにもたらされた「10の禍」を考えてみる。

01、ナイル川水が血に変わり魚が死ぬ。これは「水瓶座」の瓶の近くに火星が輝き、蝕をおこすことで「南の魚座」に流れる水が途切れたように見えたという事。

02、カエルが川から上がり、エジプトの地を埋め尽くす。これは、カエルの水中時代はヒレ持つオタマジャクシ。そこから想起した「魚座」の星座神話から考えると、陸に上がったカエルとは、ヴィーナス、つまり金星の事。エジプトの地を治める王の称号から考えてエジプトの地を太陽とすると、太陽面を金星が通過したという事。

03、ブヨが発生し、エジプト人と動物が襲われた。これは古代の星座の範囲から。「天秤座」皿は「蠍座」の爪であった。そしてエジプトには、天秤持つ「マアト」という女神がいる。アンタレス蝕が起きたという事。

04、アブがエジプト人の家を襲う。これは蜂の巣箱の意を持つ「プレセペ」有する太陽の第4宮殿「蟹座」に太陽があるとき、日蝕が起きたという事。

05、疫病が発生しエジプト人の家畜の多くが死ぬ。これは「牡牛座」の眼に輝く恒星「アルデバラン」の蝕が起きたという事。

06、煤がエジプト人と家畜に付き、膿を出す腫れ物になる。これは「射手座」の近くにある「水星」が蝕を起こすもの。煤は「コールサック」を想起させて、それを有する「ケンタウロス座」から、さらに「射手座」を想起させるという仕掛け。

07、天から雹が降り畑の作物が枯れる。これはナイルの下流の大三角州を想起する「山羊座」のα星の流星群が観測できる時期に、天候神の名を持つ木星に蝕が起きたという事。

08、イナゴが作物を荒らす。これは、青麦を想起する「乙女座」の恒星「スピカ」の蝕を表したもの。

09、3日間、手に感じるほどの暗闇。これは「プレアデスの両手」と言われる「牡牛座プレアデス」から「カシオペア座」ともう一方は「鯨座」を結ぶ両腕の範囲にある変光星「ペルセウス座アルゴル」「鯨座ミラ」「カシオペア座R2星」。3つの星が一晩ずつ順番に変光したことを。「鯨座ミラ」の部分は蠍の爪である「天秤座α星」の掩蔽に変わるかもしれないが。

10、エジプト全土の長子が死に絶える。これは王権を表す獅子をエジプトと表現するならば「獅子座」の1番目、α星「レグルス」が、凶星と呼ばれる土星によって掩蔽された事を意味する。 



 天球の海と呼ばれる場所には古代エジプト王家の星座「ケフェウス座」「カシオペア座」「アンドロメダ座」がある。

 その海を割るように流れる天の川を道とするなら、モーセの姿は「オリオン座」で表す。エジプトの兵士「ペルセウス座」は追いつけない。

 古代エジプトの暦は「ソティス(シリウス)」の星座を筆頭とする36個の星座は1年を10日ずつの組にしたもの。黄道円の10度を受け持つデカンと呼ばれている。ギリシャ語で10を意味する「デカ」からそのように呼ばれるようになった。エジプトから脱出したし、暦の星座もエジプトから脱してギリシャ式に変えて、十の戒めとしよう。


01、私のほかに何者も神としてはならない。これは「蟹座」天国の入り口。プレセペの形は「積尺気」と呼び「卍」で表される。ギリシャ数字の10は「Ⅹ」と書く。

 太陽占星術で使われるホロスコープは「牡羊座」を第1宮にしながら、占者手前に「蟹座」を置くのが基本。「始まり」という意味が隠されているのかもしれない。

02、自分のために像を作ってはならない。これは「双子座」。「小さい双子」はもう無いし、神の姿である宇宙の全体像を掴んだものは、まだいない。

03、神の名をみだりに唱えてはならない。これは「獅子座」。「蟹座」の隣で、舌を噛みそうな感じで描かれているから。

04、安息日を設けよう。これは「乙女座」。横になって休もうね。

05、父母を敬え。これは「水瓶座」と「魚座」。「水瓶座」の原型、シュメールの時代より存在する星座はもっと大きく、水も「魚座」の方に流れていた。昔受けた恩を忘れずに、親を大事にしろってこと。

06、殺すな。これは「牡羊座」。背中に乗せた子供を落として死なせて、ずっと俯いている。後悔するから、やめなさい。

07、姦淫するな。これは「山羊座」。ゼウスの乳母アマルティアは「山羊座」におかれ最初のユニコーンになったとされる。聖書ではユニコーンを「野牛」と訳しているらしい。牡牛に変身したゼウスにさらわれたエウロペは、被害者なのにゼウスの奥さんから罰を受けることになる。妻に浮気が発覚しそうになり、エウロペを牛に変えた。ゼウスの妻ヘラは承知の上で、牛を貰い受け、しばらく牛を放置した。愛人と隠し子に暗殺部隊を送り込んだりするのがヘラ。怒らせたらダメ。

08、盗むな。これは「牡牛座」。必ず妻に浮気が見つかる、ゼウスが変身した姿。もれなく罰せられます。やめましょう。

 神が祝福する者は「清貧」。貧困は免罪にならない。言い訳に使う者のいる場所の、治安がそれを示す。

09、隣人について偽証するな。これは「射手座」。「ケンタウルス族は…」なんとか言って、誰かを陥れようとしても、傍から見れば同じように見える。医神や酒神を育てた賢者に返り討ちされて、偽証の罪に問われるだけ。

10、隣家を貪るな。これは「天秤座」と「蠍座」。「天秤の皿は自分の爪だ」と言ったり「隣の女の人は、自分の持ち主アストレアなんだ」と言っても、分家したからね。別の家のものを欲しがってはいけません。

 してはならない事ならば、宗教、宗派が違えども、すでに同じ価値観を人々は共有している。自身の信仰心こそが一番だと言う、堕天使もどきに共感して罪を犯すのは真の信仰に非ず。

 この争いの時代を終息させるために、「貪らない」を守ってみたら。国策で侵略した事に、反省と謝罪と教育が必要なように、失政によって難民や不法入国者を生むことも、反省と謝罪と教育が必要なのだ。国民の生命と財産を守る仕事を放棄して、何年も争い続ける愚行は許されない。

「天は自ら助くる者を助く」という。個人で無理なことは、家族に、地域に、国に助けを求める事は可能だが、国を超えたものには限度がある。争いを他国に持ち込む者を許す者はいない。自国を改善する義務を怠り他国で権利を主張する事には、自戒が必要。

 自然と人の領域も明確に。動植物も神の創作物。その生息域をみだりに犯してはなりません。

 他者の所有する土地にある偶像に、関心を示す必要はない。教えを伝承するための立体絵文字にすぎない。してはならぬ行為が同じなら、異教を信じる者たちは、邪悪ではないのだから。



 モーセは「オリオン座」。牡牛の像を破壊するもの。春分点が「牡牛座」から「牡羊座」へと移行した時代の人なのかもしれない。


 十戒を記した石板は、箱に入れられ「ケルビム」に守られているという。「ケルビム」の意味するもの、それは小型の馬。4つの羽持ち星座「鷲座」「琴座」「白鳥座」「ペガスス座」の中にある星座は「仔馬座」。後ろに「鷲座」右に「獅子座」左に「牡牛座」があるのは「双子座」。「双子座」は、「蟹座」を飼い葉桶に見立てたときに、ロバと呼ばれる部分がある。瑠璃に似た蒼天に、刻まれた「Ⅹ」こそが石板の置かれた場所。

 

 ソロモンが築いた神殿の配置にしたがって天上のエルサレムを探してみる。祭壇は「祭壇座」大水盤は「コップ座」。王が拝殿する場を「獅子座」とすると、至聖所は「蟹座」になる。イスラム教徒が礼拝する時の姿勢が、獅子の絵図に似ているのは偶然ではないだろう。



 士師は「獅子座」。エルサレムを統治するものを表す。古代の獅子座の領域にある獅子の体を表す星12。

 獅子の延ばした前足「双子座αとβ」、獅子のシミ「蟹座プレセペ」、獅子の眼「蟹座χ」と「獅子座λ」、獅子の心臓「獅子座α」、獅子の鬣「獅子座δとθ」、獅子の縮れ毛「獅子座ζ」、獅子の額「獅子座γ」獅子の頭「獅子座μ」、獅子の尾「獅子座β」。


 古代オリエントには、王が獅子を倒す彫図が王権を示すものとして残されている。ダビデ王とゴリアトの戦いもそれと同じ。

 ほぼ全裸の美少年と彼の手にある投石器は「水瓶座」と「南の魚座」で表現される。

 身長290㎝の巨人と盾持ちは、古代の獅子座、現在の「双子座」から「乙女座」にかけた、「水瓶座」に対して、3.5個分の星域。

 「フォーマルハウト」は「獅子座」の天文絵図上の額の真裏。一撃必殺。ゴリアトの持つ鎌型の剣「獅子の大鎌」で、止めさす。



 「海豚座」がヨブの柩と言われる理由。それは天文絵図が尾をくわえているから。「ウロボロスの輪」に同じ。

 「ウロボロス」はエジプトの「メヘン」と呼ばれる神を表す。「メヘン」は夜の世界を運行する「太陽の船」を護衛する蛇の姿。太陽神を包み込んで護る神。

 古代エジプトには「メヘン」というサイコロゲーム盤があった。宗教的意味を含む、死者の甦りを再現するゲーム「セネト」にも似ている。「セネト」は2人のプレーヤーによるレースゲームで、駒を移動させていくもの。チェスの原型のようなものと思われる。死者の旅のための護符になっているので、墓から出土する。直方体で引き出し付のボードがあり、それは柩の形に似ている。

 これが、神と悪魔がヨブの信仰心を試すゲームの真相。天球の地平線を境に、北半球は神の、南半球は悪魔の領地。ヨブを表す「海豚座」の取り合い。「竜座トゥバン」が北極星だった頃「海豚座」は天の地平線上にあったが、極星が移動した現在は、北半球の中にて輝く。神の勝利である。

 神はヨブに問う。「プレアデスの鎖を結ぶ事が出来るか、オリオンの綱を解くことが出来るのか」と。

「プレアデスの鎖」とは「プレアデスの両手」と言われている星の繋ぎ方。神の右手「カシオペア座」が表す手のひらは、北極星を探すのに使われている。

「オリオンの綱」とはオリオンの足から流れる「エリダヌス座」。この星座にある「アケルナル」は古代の南極星である。「悪に進む道を絶ち、神を求めよ」という事なのかもしれない。


 ついでに、繋がれた鎖を断ち切っておこう。

「オリオン座」はギリシャ神話の中でも、色々な話に利用されている。「牡牛座」との組み合わせで、ヘラクレスがクレタ島の牡牛を捕える場面になる。また、オリオンが左腕に持つヒラヒラの布は、この絵の部分にある、女戦士という意の「ベラトリックス」とを考えれば、ヘラクレスとアマゾンの女王との戦いで得た「力帯」とすることが出来るだろう。

 「オリオンの左腕」の部分はアマゾネス、つまり処女の膝の部分になる。そう考えると、「牡牛座アルデバランを繋ぐV字」、ここが「ユニコーンの角」になる。リアルの一角を鎖でつながないこと。動物虐待してはダメ。


 「牡牛座」をミノタウロスとするなら「オリオン座」はテセウスになる。9年ごとに14人の生贄が、ミノタウロスが閉じ込められた迷宮に送り込まれる。そんな悲劇の連鎖を断ち切った場所。

 迷宮から脱出できる知恵を授けたアリアドネの「糸」は「エリダヌス座」。その糸の先に居る、アリアドネは現在の「鶴座」を含めた古代の「南の魚座」。

 結婚の約束をテセウスが破り、アリアドネが酒神デュオニソスと結ばれるのは、「エリダヌス座」の蛇行に関係する。

 南極星の移動により、極の近くで輝く星は「アルゴ座カノープス」になった。そちらにエリダヌスの流れが変えられた星図も存在する。

 酒神こと「水瓶座」から流れる水を受ける「南の魚座」アリアドネは、神の愛を注がれ、与えられた「冠座」の場所でその知恵を称えられる。

 人が鎖でつながれる時代は、終わりです。

 

 



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