第2話~異世界~

話は今朝の事。僕はいつも通り学校の支度をし、施設をでる。


もし……。

近道などせずいつもの道を通っていたら

まだ日常にいられたのだろうか?


いや、人生に、もしとかだったらとかなんて通用しない。時間なんて待っちゃくれない。


気にするだけ、気が滅入るだけ、

だからこうなることは僕が、産まれた瞬間から決まっていた事。だとしたら、神様は残酷な事をする。運命なんてそんなもん。


まぁ話を戻そう。


入学式の帰り道で、偶然見つけた近道を通った時、それは起きた。裏路地の奥の林から、耳が痛くて息が止まるほどの不快音。僕は、耳を押さえながら林を見た。


「なんだ?」


ゆらゆらと景色が歪み、爆発音と光に僕は目が眩み、ふっとんだ。


「うぁぁぁぁああああああぁぁぁ」


どれくらい時間がたったろうか、、、。

心地よい風で目が覚めた。


「っつぅ、、、。」


何が起きたかわからなくて、取りあえず制服の汚れを払って立とうとした。


「どこだよここ?」


辺り一面に広がる草原。 そこにポツンて感じな自分。


「まだ寝てるんかな?」


試しに頬をつねる。


「イタイっすね。」


夢オチでは無いことを、ヒリヒリする頬が教えてくれた。


「……。」


身寄りもないし、ただ退屈な毎日、

それだけ。


「これで本当に天涯孤独かここで死ぬんかな?」 


胸に手を当て、十字に切る。


「父さん、母さん、じいちゃん、不肖ながら、息子がそばにいきます。」


ってトリップしても、誰もツッコミなんていれてくれない。バカみたいだ。


取りあえず歩くか。暫く歩くが見渡す限りの草。すぐに飽きる……じゃなかった。


「きりがない。」


僕は溜め息をひとつした。


「こんなとき、後ろからモンスターみたいなもんでるんだよなぁ。」

「きゃあぁぁぁあああ」


そうそう、お決まりの悲鳴、んでモンスター。


「ハイ!?」


後ろを振り返れば、女の子が怪物に追われ、こちらに向かってくる。


「誰かぁ助けてぇぇぇぇえええ!!」

「えっ?何、このベタすぎる展開?」


呆気にとられてるうちに、怪物に追われてる女の子は、目の前にまで来ていた。


「くそっ!」


僕は持っていた竹刀を袋から取り出した。


「助け……助けてくださいぃい。」


と、息切れしながら僕の影に隠れる。


「出来るだけ努力する。」


頼りにならない台詞を吐き、目の前のモンスターと対峙する。自分の身長の倍位の背丈。

背中には大きい翼。顔は3つある。

牙は僕の身長位ある。


「……ケルベロス?」


つか、無理。死亡確定フラグが立ちました。


って感じ。


そもそも序盤に出てくるモンスターじゃないだろ?序盤に出てくるやつは、もっとこう、弱いやつでなんとか倒せるやつじゃね。

RPG的にさ。


「まぁヤれるだけやってみるか」


とまぁここまでが今朝から今までの話。

ふぅ……腹減ったな。

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