気づいたら異世界にいた。

佐倉 涼人

第1話~ひとりぼっち~



僕は平凡な高校生。どこにでもいる普通の高校生。好きなものは……竹刀を黙々と振る。

嫌いなものは……面倒な事、面倒な事は本当に勘弁。 だから、友達なんていない。別に欲しくない。|

取り柄は……

う~んそうだなぁ……

あったっけ?


あっ!?

あったあった。

剣道。


昔死んだじいちゃんに

男は剣じゃ、侍なのじゃ、だからこれを持て

と……無理矢理渡されたのは、大人用の竹刀。 その時まだ5歳だったから、自分より大きい竹刀に驚いたのを覚えている。


あれから10年。その間、厳しかったじいちゃんは病気に負けた。

じいちゃんだけで僕を育てるのは大変だったろうに……

僕は、産まれて間もない頃に交通事故で親を亡くした。親戚もいない。

だから、一人。


別にいつ死んだって構わないし、夢や希望もない。 ただ退屈しのぎに竹刀を振る。それが日課だった。

あの事件にまき込まれるまでは……。











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