1ー7

澪に抱きしめられて数十分経ったころだろうか。私は少し落ち着き澪から離れた。

「玲……私が悪いんだから気にする必要ないんだよ?」

『そんなことない。澪は何にも悪くない。悪いのは最初から気づかなかった、騙されてた私なんだよ。もっと私が早く気づいていれば澪はここまで傷つくことがなかったんだよ。』

そのメッセージを

見たとたん、なぜか澪の目には涙が浮かんでいた。

「ねぇ、玲……私の人格が悪かったんだよ?なんで玲が傷つくん?なんで玲は私を責めないん?」

澪は私に泣きながら問いかけてくる。私はただそれに対して何も送らず、ただ、澪の頭を撫で続けた。こういうことはただの言葉で言っても伝わらない。そのことが分かってるだけに私は何もなかった。それに、私には澪を責める理由がないから。私がもっと早く永久の事に気づいていれば、信用しすぎていなければ澪はここまで傷つくことがなかったかもしれない。だから尚更、私は澪を責めるつもりがなかった。


________________


『落ち着いた?』

澪が泣きやんだ頃に私は澪にそう送る。それに対し澪は俯きながら頷いた。俯いて俺に顔を見せないようにしている澪には自分をまだ責めているように見えた。私は少し上を見てからとりあえず澪の頬の片側を引っ張った。

「痛い!痛い痛い!なに⁉」

『いつまでも自分を責めてるからつい』

やっと顔を見せた澪の目は真っ赤に腫れてその目には未だに涙が溜まっていた。

「ついじゃないよ⁉っていうか痛いから離して⁉」

『自分を責めることをやめたら離してあげる』

私はそう送り尚更澪の頬を抓る力を強くした。

「わかったわかった!わかったから!とりあえず痛い!」

澪がそう言いながらまた別の意味で泣きそうになっていたので私はとりあえず澪の頬から手を離した。

『澪に永久を消してって言ったのも私だし、永久がやってきたことに気づけなかったのも私の責任、だから澪は自分を責めなくていいの、わかった?』

私のその言葉に澪は一回頷き、私は澪の頭を再び撫で始めた。

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