1-5

「それで?」

チェーンの喫茶店で私の分のコーヒーと自分の分のコーラフロートを頼み、少ししてから澪が口を開いた。

『さっきも送った通り、声が出ないの』

私は声が出ないため澪にメッセージを送り会話をする。

「理由は?」

『わかるわけないじゃん、わかったらとっくに解決してる』

私は若干の苛立ちを感じながら澪に送ると何故か澪が小さく笑いはじめた。

「だよねぇ、ごめんごめん、だからそんな怒らないの」

「お待たせしました、ホットコーヒーとコーラフロートになります。ご注文は以上でよろしかったですか?」

「あ、はい、大丈夫ですよ」

澪は笑いながらそう言い運ばれてきたコーラフロートに口をつけた。

『何笑ってんの』

「いやー、私玲の怒ってる顔好きだからさー」

そんな理由になってないことを言う澪から視線を逸らし目の前に置かれたコーヒーを飲む。

「ねぇ、玲。後で少し行きたいところあるんだけどいい?」

『どこに行くの?』

私のその問いに澪は小さく笑い答えた。

「内緒だよ」


_______________

「ついたー!」

チェーンの喫茶店を出て数十分、自転車を走らせてついたところは私と澪が付き合うことになったときに来た場所だった。

「ここのこと覚えてる?」

私に澪は問いかけてくる。

『ここで澪が泣きながら告白してきた』

私がそう送ると澪は顔を真っ赤にした。

「なんで泣いたことまで覚えてるの!?」

覚えてるも何もあそこまで記憶に残りやすい告白覚えてないわけないじゃん。

『先輩、ごめん好きって言ったことまでちゃーんと覚えてるよ』

私がそう送ると澪は私に向かって笑顔で近寄ってきた。私のすぐ近くまで来た澪は大きく息を吸い……

「玲のバカ―!」

大声を出すとともに私に腹パンをしてきた。

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