壊れゆくEU

ЕСБの革命

EU崩壊2日前。(Разрушаться а ЕС на Два Дей.)

「ねぇ、アンゲラ。お前は難民によって殺されたのか?」


 俺は、欧州連合(EU)という存在自体が凄く大嫌いだ。

 この超国家組織の影響で我が母国のドイツ共和国が酷い目に遭い、俺の妹が亡くなったんだ。

 そして俺はアイツの墓前にいる状態だった。


「って、何を言っても解らないよな。お前は、偽装難民によって性犯罪で殺されたからな。」


 俺はアイツを事実上殺した欧州連合を凄く許せなかった。

 偽装難民がこなければ…、

 あいつが性犯罪で殺される事がなかった。

 そして偽装難民による性犯罪と遺体切断事件の多さで欧州連合政府に対する不信感が欧州中を駆け巡った。


「アンゲロ。お前は、そこまで欧州連合を恨む理由はよくわかる。だが、欧州連合は明日、崩壊しそうな気がする。」


「明日…、か、」


 ガウク。お前は欧州連合が明日崩壊する情報をよくぞ知ったな。

 俺はその情報を凄く誇りに思っている。

 何故なら、2年前に我が妹、アンゲラは偽装難民によって殺された。

 しかも、遺体は偽装難民によって首が切断され、身体の方の遺体が闇市場に販売されている事も知った。

 それでアンゲラの頭は誰かに処分された。

 だが、欧州連合はその闇市場を黙認している。

 だからこそ、明日の崩壊は待ち望んでいた。


「だが、アンゲラの遺体は裏社会に闇市場として売られているから、このお墓にはいない事を知っているよ。」


「アンゲロ君。」


 俺は泣きたくても泣けなかった、偽装難民によって若いドイツ人女性の多くが犠牲になった要因となった難民問題。

 しかも、多くの女性の遺体が闇市場で売られている現状でお墓の中にいる遺体や遺骨化した遺体は1割も満たない。

 皆、闇市場で一部の富裕層が腐敗防止を施し、闇市場に性道具として販売している現状を考えると俺はどうしてお煮え切らずにいた。


「なぁ、帰ろう。ガウク。」


「あぁ、アンゲロ君。今日は家に帰って明日はドイツ政府の様子を見にいこうな。」

「あぁ。」


 俺は煮え切らない感情の中でEU崩壊が明日来ると感じたせいか、明日はガウクと共に欧州連合崩壊の日はドイツ政府と共に見に行こうと考えていた。


 *******


 翌日。

 俺はベルリン近郊の自宅からドイツ国会議事堂に向かった。


「アンゲロ君。おはよう。」


「ガウク。こちらこそおはよう。」


 俺とガウクはこれから現在のドイツ首相であるヴァイデル首相欧州連合崩壊に関する説明をする最中だった。


「今日で欧州連合は崩壊します。ですが、私達ドイツは欧州連合に頼らなくてもやっていける新体制として動かしていましょう。」


 俺はその話を聞いて欧州連合崩壊によってようやくアンゲラに報告したかった。

 ようやく、これで欧州連合が崩壊したのだと…。

 それは難民やグローバリズムとは決別できる最大のチャンスになった事を俺は誇れる事だった。

 こうしてドイツは保護主義が再び動かせる。

 保護主義によって産業が強くなれるんだ。

 例えそれが、間違った方向でもこの時の俺は嬉しかった。

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