このムダ飯食らいが!
「ポメ夫~っ!何とかして元の世界に戻りてぇよ~っ!お前の力で何とかなんねえのかよ!」
まるでドラえもんに泣きつくのび太みたいにオレはポメ夫に頼んでみた。
ポメ夫は相変わらずオレのベッドでグーグーと寝ていた。
誰がどう見てもポメラニアンが愛くるしい表情でコテッと横になっているようにしか見えないが、これでも天界ではかなり重要なポストに就いている。
「何だ何だいきなり。まだ眠いから寝かせろポメ」
コイツ一体1日何時間寝てるんだ?
寝てるか飯食ってるかのどっちかで、そこら辺にいる犬と何ら変わりはない。
「テメー、何時間寝りゃいいんだよ!
とにかくお前の力で元の世界に帰してくれよ、おい!」
コイツに頼むしかない、じゃなきゃ元の世界に戻せる相手はいない。
「それは無理だポメ。
あちきの力じゃどうにもならないポメ」
この、役立たずが!
「やい、このクソ犬!何も芸が出来ねえなら、こっから出ていけ、バカヤロー!」
朝夕の散歩以外は毎日食っちゃ寝、食っちゃ寝の繰り返しで、クソの役にも立たないバカ犬だ、コイツは!
「何だと~?あちきもちゃんとした芸があるんだポメ!」
「へぇ~、じゃあどんな芸があるんだ?やってみろよ、おいっ」
コイツの芸って何なんだ?
「お手、お座り、待て、チンチンが出来るポメ」
…普通の犬と変わりねえじゃねえかっ!
「このムダ飯食らいが!犬の分際で人様のベッドに堂々と大の字になって寝てんじゃねぇ!」
オレはポメ夫の首根っこを掴み、ドアを開け、外に放り投げた。
動物虐待だろうが、なんだろうが関係ねえ!
オレはとにかく元の世界に戻りたいの~っ!
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