第2話 おっぱいさん
「あなたが新しく生まれた方ね?」
おっぱいの大きいお姉さんがそう訊いた。
「生まれた? いや俺もういい歳のおっさんなんだけど、いや、あの俺のこと分かるんですか?」
「ええ、分かるわ。あなたは私と同じものよ」
宙にフワフワ浮いてるおっぱい、見たまんま幽霊か?
「同じものって、俺やっぱり死んだの? 幽霊? 地縛霊?」
「ん~、幽霊ではないわね。私の場合はちょっと特殊なんだけど、あなたもかなり特殊みたいね」
特殊、特殊ってなんだよ。幽霊じゃないならなんだってんだ……。
「私の初めて見るんだけど、生物を核にするなんて存在が初めてで…ね。
同じものとは言ったけど、私とは異なるタイプみたいね。要するに、元はなんであれ結果的には同じものなのよ」
「はぁ左様ですか、ってだから何なの俺?」
「あなたはもう人間じゃないの、というより生物ですらないわ」
やっぱり幽霊じゃないのか? いやでも違うってさっき言ってたし。ぐぬぬ
「いや、あの、その俺のこの体ってどう見ても人間じゃないですか?生きてますよね!?」
抓ったら痛いし、無精ひげだって引っこ抜くと超痛いもの。イツツ
「でもあなた、脱げるでしょ?」
脱げる?何が脱げるんだ? 何言ってんだこのおっぱい!?
いや…待てよ、そういえば昼間起きた時……。
「脱げる、脱げる、抜ける、すり抜ける。へ? 抜けた!脱げた!えっー!」
マジか? 脱げた、体脱げちゃったよ。
「まぁとりあえず着て頂戴、あっ体ね」
「は、はい着ます」
おいおい人間の体、着脱可能だよ俺。どうなってんだよ?
「さて、どうしようかしら? あなたは生まれたばかりで認識できるのは今のところ、私だけみたいだしね。
んっとそうね、私のところにいらっしゃいな、いろいろ教えてあ・げ・る から」
どうすっかな? 家に帰っても親父は俺のこと分からないみたいだし、独りだと寂しいんだよな。
しかも、こんな見事なおっぱいが誘ってくれてるのだし、おっぱい至上主義者には堪らんし付いて行っちゃおうかな。
「お世話になります」
ということで、謎のおっぱい美女に誘われるまま付いていくことになりました。
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