辛辣で辛口で、でも意外と面倒見がいい死神少女シルキーと、死んで記憶をなくした青年のストレイゴースト、まず、この組み合わせがいいです。
死んだことにより記憶をなくした。でも、「未練」が残っているから転生もできず、さらにその「未練」が何だったのかすら思い出せない。もちもん名前もなくした…… 仕方ないから、シルキーに「ゼロ」と名付けられた青年の本当に幽霊のような頼りなさの描写が、この厄介な設定を魅力的にしています。この青年はいったい、いくつ大事なものをなくしたんだろう? そう心配になるくらいです。
また、シルキーの死神特有のゾクリとするような残酷な言葉と、時折見せる優しさとが混じり合った感じが、素敵に感じました。こういうキャラづくりができるのは、ちょっとうらやましいです。
物語は、たぶん、まだ、始まったばかり……
シルキーとゼロ、これからどんな記憶の断片を探し巡ることになるのか、続きが楽しみです。