寂しさと怒り

私たちの心がブラックホールだったらよかったのにね

そしたら、荒々しい怒りも

深海みたいな冷たい虚しさも全部飲み込んで

ああ、美味しかったわって言えることが出来たのに

そうして、私たちの胸に風が吹いて

晴れ晴れとした気持ちになることが出来たのに

寂しかったから怒っていたのか

怒っていたから寂しかったのか

もう、誰にもわからない

ただ、私たちはその両方だった

淋しかったし

怒ってもいた

なんでこんな目に合わなくちゃいけないんだって

思っていたし

どうしてこんなに空しいのだとも感じていた

私たちは風を求めていたのかな

追い風に期待していたのかな

この際、もう寂しさも捨ててしまおう

そうしたら、あとは怒りだけ

怒りは捨てることが出来るのかな

いつか

怒りを捨てて

淋しさも、悲しさも捨てて

すべての感情から解放されたとき

私たちって何になるんだろうね

そんなことを知りたいと思った


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る