ルビー

優しい人は繊細だ

かさぶたというルビーを身に着けている

血液が滲んだような

生々しい赤い傷跡

人々は優しくあれという

どんな時も

スラム街みたいな世界で

優しい人は傷を多く作る

それでも優しいのだから

私たちが悲しくなる

優しくあれと教えた彼ら

だけど、彼らは優しい人ではなくて

優しさは素晴らしいものだから

きっと私たちにも必要だと妄想して

押し付けた傲慢な奴らだった

もしも、優しい世界が実現するとしたら

かさぶたというルビーを身に着けなくても済む

世界がいい

彼らがいらないと捨てていったものを

私たちが拾っていくことにした

それでもまだ、そんなものはいらないという

傲慢な奴らがいるならば

私たちはこういうことに決めた

どうか、放っておいて

私たちはルビーは身に着けることをやめたの


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