政治

 私は社会が得意である。昔から地理の教科書に書いてある用語や、歴史の教科書に書いてある用語を三、四回読んだだけでもすぐ暗記するほど得意である。それは自分の中に理屈が通用しているからだと私は思っている。だが、その中でも理屈が通用しないのが公民だ。そう、公民だけなぜか得意ではない。高校一年になってやっと『小選挙区比例代表並立制』や『ドント方式』を理解したほどである。ただ、公民の学習をしていくうちにみるみると日本の政治の実態が見えてくる。その実態を今回は少し紐解いて私の意見を述べてみたいと思う。

 先月、第48回衆議院議員選挙が行われた。今回の選挙は現 内閣総理大臣の『衆議院の解散』の行使によるもので、国難を乗り越えるための選挙だったという。とある記事を見てみると、この解散の目的は2020年までに保育園、幼稚園の負担費用の無償化の国民の信を問うべく行ったという。今までは高齢者ばかりに手厚く税金をかけていた時代から少しずつ若者やバリアフリーに対しても税金をかけるような時代にシフトしていく今、私は一個人としてこの無償化の政策には賛成である。

 だが、残念ながら日本にはとある問題が取り残されていると感じている。『投票率の低迷』である。実際、第47回衆議院議員選挙の総合平均投票率は54.08%と、国民の僅か半数しか投票していない。この問題に対しては政府も懸念しており、日本国民全員にかかる問題であると思う。そこで、私はいろんな人に話を聞いてみた。「自分が動かなくても国は動く」、「めんどくさい」、「自分の一票が無駄になる」など多数の否定の意見が見受けられた。その原因はなんなのだろうかと一人考えあぐねた結果、いくつもの原因が考えられる。

 一つ目は、メディアである。私は新聞を読まないため何も言うこともできないが、ドラマやニュースを見てみるとその実態は少しずつ浮き彫りになってきているような気がする。メディアは決して信用できないわけではないのだが、情報の真偽が定かではない。wikipediaより、『デイビッド・サイモンは、しょせんインターネットに出ている情報は、既存メディアが流している情報をコピー&ペーストして、それに対し独自の意見を付け加えたものでしかなく、ネットのブロガーや市民記者は寄生虫のようなものだと指摘している。宿主となる既存メディアは、その寄生虫のため、自らの経営を蝕まれ、次第に一次的な情報を提供する既存メディアが弱体化し、社会に正確な情報が行き渡らなくなる』とある。メディアはたまに虚偽の情報を流すことがあるため、メディアリテラシーを身につけることが大切だと学校で教わったのだが、これでは意味がない。その解決案として、私はいろんな人に意見を聞いてみることが大切だと思う。メディアが報道した情報だけで判断するのではなく、様々な人の意見を聞き、そして話す、それが現在の政治への参加につながるのではないかと私は思う。

 二つ目は、衆議院議員である。たまに国会中継を見ているのだが、国会で居眠りをする議員が見受けられる。所得税、消費税、住民税など多額の税金を払って生活をしている我々にとっては、とても不快極まりない行為であると一個人として私は思う。だが、仕事内容が峻烈極まりないほど多忙であることも想像できる。一見、見方を変えてしまえば日本国民のために徹夜で仕事をして国会中継で思わず寝てしまったというのも考えられるが、何も知らない国民がテレビを通してその光景を目の当たりにすると政府の信用を失うのは否めないだろう。

 三つ目は、国民一人一人の気持ちの問題である。七十二年前に終戦を迎え、日本人は現在にかけて危機感が薄れつつある。全世界が世界平和を目指している中、やはり、人間関係で嫌な人、好きな人がいるように平和にならないものもある。私も含めて平和ボケをしてしまっているので、現在のこの体制が当たり前だと思い込んでしまっている者が中には、いるのではないだろうかと考える。老人が積極的に政治に参加していく今も、今後も若者が日本を動かしていかなければならない時代になっているのだ。

 と、私は思った。政治の参加は義務付けられていないので選挙権を破棄することは可能だが、世界には選挙ではなく独裁をやっている国もある。そう考えると、私は選挙権を持つことができるのだから、自分の一票がどれほど小さく虚しいものだったとしても、今後の日本のために、二年後、選挙権を手にしたらきちんと政治に参加しようと思う。

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