第3話鋼の精神
ふふ、とひと置きして妖精は話した。
世界、いや宇宙は色々分岐しているらしく様々な別の世界があるそれで、解ってはいたが妖精がその別の世界から来たこと、その世界では、人間と魔獣、その血を引くもの達がそれなりに仲良く暮らしていること、そこには魔法があって・・・などなどどこかで聞いた様な話をしていた。まるで小学生が3日掛けて考えたおとぎ話の様だと僕が言うとまた「ふふ」と妖精は鼻で笑い、思わず声が出てしまいそうなほどの、その世界での英雄の話や偉人の話をしてくれた。滝本は所々?マークを浮かべていたが小さいころ本が大好きだった僕はつい聞き入ってしまった、妖精は話がうまくその世界に行ってみたいと思いかけてしまうような所まで話を聞いた時だったか
その世界のとある人物が戦争を起こした話をしてきた、その人物によって一度そいつはその世界を征服し欠けたらしい。
「欠けた・・・?なぜだ、征服はもうほとんどしていたんだろ?簡単に世界を取れるはずだ」
「全力で止める物が居たのさ、タイミングも良かった・・・プリ」
やはりそのキャラは作っていたらしい。
妖精はこう話した。タイミングが良かった・・・エスキテル(戦争を起こした本人物)が妖精の世界を征服しようとしたときその他の残った国はある魔法の研究をしていた、その魔法は転移系の魔法で遥か遠い「どこか」へワープする魔法だったその魔法で攻めてくるエスキテル侵攻軍を別の遥か遠い「どこか」へワープさせその場所で時間を稼ぎ自分達の立場をひっくり返そうという作戦らしい。
そのはるか遠い「どこか」が・・・
「地球と言う訳か」
軽く動揺はしていたがさっき程までではなかった、むしろ頭は回転している、遥か遠い「どこか」がまさか別世界というのは突飛すぎて話について行けていないのかもしれないが。
「察しが良くて助かるプリ」
察しがいいというか結論から言えばそうなるだろうなという事だが
「え・・・?え・・・?どうするの?日本も潰されちゃうの・・・?」
「解らないが・・・大丈夫だと思うよ、滝本。妖精が言う事が間違っているという事もあるだろうし」
本当に大丈夫なのかはわからない、しかし朧気ながら大体の予想はつくそのエスキテル侵攻軍が日本・・・いやこの世界より強いとはあまり思えないからだ。時代は進んでいるかもしれないが所詮は中世、魔法は使えるのかもしれないがエスキテル軍の全てがこの国には来るわけじゃない、個々で殲滅していけば1ヵ月もあれば殲滅できるだろう。
しかし日本は・・・
「ほとんど全壊してしまうプリね」
心を読んだのか、恐らくコイツはそういう能力があるのだろう、「人間の心を読む能力」さっきのおとぎ話から僕たちが興味がある話を的確に語っていた、恐らくその「能力」を使っていたのだろう。もう驚かない。そしてコイツは・・・、
「ああ、えらく性格も悪いプリよ」
「全壊・・・?なにが・・・?日本が?お父さんお母さんは・・・?ねぇなんで黙ってるの・・・」
今この妖精の腸をぶちまけたい気分に駆られている
「滝本、大丈夫だ、守るから」
そう言って抱きしめる強く抱きしめる。
「おお、えらくラブラブプリね僕たちの世界でもあんまし見れないくらいには愛し合ってるプr」
妖精がまた飄々と口を出そうとしたその時だ。突如として殺気のようなものが妖精に贈られた。
ビクッ!!
妖精が驚いている
糞妖精のこんな顔を見られて少しうれしいが、そんなに怖いのかと問いたくなって来る
蛇に睨みつけられているカエルのように目が離せないのだろう、僕に対して。
僕はいつの間にか妖精を睨みつけていた、深く深く、怒りを込めて
「あまり冷やかすなよ」
妖精は余裕の表情を辞めた、妖精族には寿命と言えるものはない、自分は遥か昔から生まれ生きてきて経験してきた、そして今経験したその目は遥か昔世界を救った「英雄」と呼ばれた者たちが大切なものを蔑まれ汚された怒りの瞳に余りにも似ていた、彼ら英雄は「体」・・・腕っぷしの強さだけでは成り立たないのは妖精自身誰より強く知っている。だからこそわかる。この今自分を睨みつけている人物は心、いや「精神」特に自分が認めた守るべきものを「守護る」精神の強さはもう既に「英雄」なのであると確信する。
「・・・本当にいい男プリね、偶然君に会えたことを神々の豊穣 賢者の樹様に感謝するプリ」
「何を言っている、まあいい。で、あるんだろう?じゃないとお前がここへ来た意味がない」
「ほう・・・どう推察するプリ?」
妖精がさっきとは違う顔、雰囲気でニヤニヤしている
話を聞いてはっきりした、この妖精がわざわざ何もなくただの警告を僕たち人類に送る為だけにこの別世界「地球」まで来るはずがなかった、そんな修身な性格には見えない、なら目的は一つだ
「この日本を救う方法が・・・!」
妖精が待ってましたとばかりに口を大きく開けこう言った
「・・・ないプリ!!」
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