第6話
帰り道。ふと思う。
さて、なぜ今ごろなのか?
いじめは前から起こっていたはず。自分と違うクラスだったからか?もしくは、気づけないくらい隠れたものなのか?さあ、自分にはわからない。わからないけれども……。
次は俺か……?なぜ、自分は危険を大いに伴う助けをしてしまったのか?何で面倒なことに首を突っ込んだのか?
日が暮れた道を一人で歩くとき、こうも色々なことが頭を埋める。
なんか自暴自棄になりそうだな……。もう訳がわからん。等と思いながら歩くと、いつの間に家についていた。はぁ、とため息をひとつして入る。
「ただいま……」
「うん、お帰り」
三男の有地が、宿題をしながら返事をする。
「ねえねえ、今日さ、兄ちゃんの教えてもらったやり方で算数の宿題だしたらさぁ、叱られた」
「え、本当に?」
眉間にシワを作り、三男は有地を見る。
「うんよ。まだやってないからダメって言いやがって」
「それはよ。そこの教師がダメなんだよ。大体、分数の上に掛け算のせて何が悪いかなんか」
「ホント、あんまり教えてもらってないやり方で教えんで!」
「はぁ……なぜ……?」
小学生は自由に勉強出来ないんだなと。本当に、教師、教えてないからって合ってるものを間違ってるとするのはダメだね……。別にいいと思うのにな。
「ねえねえ、兄ちゃん。俺また、ガチャ引いてあいつだしたよ!」
いやいや、中三の三男。竜地よ。お前は受験生だろ?お前の成績、とんでもないはずだろ?気づかんかなぁ、いや、気づかないねと反語みたいになってしまった。いやいや、そうじゃない、そうじゃない。
まあ、そんなこんなが、この家庭の日常。
その後は、六人家族はご飯を食べた後、
風呂に入り、一日の疲れを落とす。
布団に入り、明日への英気を養うために眠る。眠る。眠る……。うぅぅ……。
「だぁーっ!ちっ!何だ、このっ!」
森高は静かな声か、苛立つ。
ぐぅぅ……(三男)。ぐぅぅ……(三男)。
「はぁ……」
腰にある脚が邪魔だった。寝相が悪い。よって脚を掴み、父親の方へ投げ飛ばした。
「はぁ……」
睡眠に入ろう……。
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