スカイダイビング(後)
◆
ネクロの答えには
「もう一つ、聞きたいことがある。マリシャスというやつを知らないか?」
ネクロがかすかに
「知っているようだな」
「どこでその名を知った」
ネクロは表情をくもらせ、
「お前がマリシャスだったりするのか?」
「
ネクロの声には
「その話しぶりだと、
「たとえ知っていても、君に教えるわけがない」
「だったら、お前のかたきを
「残念。『あの
「マヌケな子分は信用できないということか。まあ、子分がこれだと、
生みの親たるマリシャスを
「だまれ、この
ネクロらは『
マリシャスは
マリシャスは
彼らは〈
彼らが
「能力の出しおしみがアダとなったな。あの時、『
初めての
「そうとも言えるが、君と『盟約』を
ネクロは死を
「
「
「どうやら、ここから落ちる
ネクロがケタケタと声を上げながら笑い始める。
「
「……どういうことだ」
「君は私をバケモノと呼んだ。その上、人間であるかどうかさえ疑った。それならば、なぜ、ここから落とせば私が死ぬと思ったんだい?」
このゆさぶりにはねらいがあった。ネクロは会話の
「何を言い出すかと思えば。今から
しかし、普通の人間がこの高さから落下したのなら、とうてい無事では済まない。ふと
「そういうことか。ゴーレムどもに受け止めさせようという
「ああ、知ってるとも。しかし、浅はかなのは君のほうだ。確か、他人の場合は同意が必要だったよな? 自由にしたまえ。どこへでも好きな場所へ飛ばせばいい」
ずばり、ネクロのねらいはここで落下させないこと。
「あいつらは、私を助けさせるために、ここへ呼び寄せたんじゃない。ついさっき、君の
ネクロの言葉通り、むらがり始めたゴーレムは、主人の落下にそなえる様子はなく、自身を
「
ネクロの
要は、はるか
トランスポーターが
「最初からそのつもりさ。おどせば、おじけつくとでも思ったのか?」
「キヒヒッ。顔に
ネックだったのは、
『
マリシャスが全ての力を取り戻すには、トランスポーターを
『お前ら』と表現したからには、同じ『最初の五人』で『盟約』にも参加する――ローメーカーとエクスチェンジャーの二人も
「そういうことか。最終確認だ。お前自身があやつり人形だったりしないよな?」
「それはない。あれだけの数のゴーレムを動かしているんだ。これに
ネクロが
「こちらも、いま一度問おう。――本当にここからでいいのか?」
トランスポーターは決めあぐねた。こちらの判断の甘さを
反対に、ここから落とすよう仕向けているとも考えられた。この高さから落ちただけでは、死なないとふんでいる
しかし、トランスポーターは挑発に乗ることにした。とことんまでやりつくすと決めた。ネクロの言動は、死の
「
「……ローメーカーによろしくな」
◆
ネクロが『転送』されたのはレイヴンズヒルのはるか
トランスポーターも
そこは雲をも見下ろせる高さ。ネクロは
空を見上げながら
この
「ローメーカーではなかった……。
時間にして三十秒足らず。ネクロは誰に気づかれることもなく、西地区の
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