スカイダイビング(前)
◆
トランスポーターは
ウォルターとパトリックが
『
(先にあっちを
彼はターゲットを切りかえた。作戦開始前から、胸に温めていた計画。
ターゲットは自身が
その途中、しきりに
肩を怒らせながら通りを進むゴーレムを
ターゲットを送りとどけた場所――南地区の小さな
とはいえ、相手は
すると、
そこは周辺の建物より、ひと
近くへ移動したトランスポーターは、
「ご苦労様。
「やったのはインビジブルさ。僕はトリックスターと遊んでいただけさ」
「そうなのか。私にしてみれば、どちらでもかまわないんだけどね」
「それで、そっちの状況はどうなんだ?」
「順調さ。始めは
トランスポーターは相手が背を向けているのいいことに、
「しかし、こうもあっさり『
「さあな。十数年間、いくら探しても見つからなかった相手だ。箱をひっくり返したからといって、簡単に見つかるとは思えない。これから、
「それもそうだね。ただ、『あの女』の捜索には手を貸せないよ。さしものゴーレムも、見ず知らずの人物を探し出すことはできないんだ」
トランスポーターはどうでもいいといった様子でそっぽを向く。
「これからどうするつもりだ?」
「ここで引き上げるのもバカらしいし、しばらく遊んでいくよ」
「そうすると、このまま
「無益かどうかは
ゲスな笑みをうかべたネクロが相手を
◆
「そうだ。君に見せたいものがあるから、ちょっと一緒に来てくれないか」
トランスポーターはそう言って近づき、相手の腕に手をかけた。自身の
ネクロは
二人がレイヴン城の方向へ移動をくり返す。ネクロが連れて行かれた先は
ネクロは
トランスポーターは
「どういうつもりだい? こんなことをされて喜ぶ
以前から、ほのかな敵意を感じていたためか、ネクロの
「もう私は
トランスポーターは
「誰の
「どうだろうな」
「いや、これは君の
トランスポーターは鼻で笑うにとどめ、
「最初から食えない男だと思っていたが、ここまで
「それならそれでかまわないさ。
「それで、何なんだい。私に用事があったんだろ?」
「お前に聞きたいことがある。全て正直に答えたら、命だけは助けてやる。あらかじめ言っておくが、
「ずいぶんと
この状況に追い込まれても、ネクロは人を食ったような態度を
「三年前、お前が俺達の前に姿を現した時、〈
「ああ。事実、私は
「疑っていないさ。
情報の
トランスポーターは〈侵入者〉の誰かから聞き出した可能性も考えたが、
「この国へはどうやって
「そのことを根に持っていたのか。三年前に
トランスポーターは〈転覆の国〉にアクセスできるのは自身の
しかし、十年以上かけても
一つ目は、パトリックの〈
自身の特権をおびやかす者の登場が、ローメーカーの『
自身が
「そんなことはどうでもいい」
「そういえば、君はあの後すぐに『盟約』に加わったな。そうかそうか」
ネクロは
「ずっと自分の庭だと思っていた場所が、ある日、自分の庭でなくなっていた。これはその腹いせってわけか。まるで子供だね。キヒヒッ」
「何てことはない。たまたま見つけた船に乗っただけだよ」
「船でこの国へ来ることは不可能だ」
「それは
ネクロは自身の
「お前のような、
「それは君の
トランスポーターは
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