不吉な黒煙
◆
ダイアンは
あまりに
「あ、あの……」
しばしの間を置いて、おかしさに気づいた守衛の二人が、後を追って議場へ入る。
議員達はいつでも逃げられるようテーブルを
「……何だね、君は?」
「
議員達は
ダイアンは白いドレスを身にまとい、
絵画において、巫女は決まってこの
「もしかして、巫女でしょうか……?」
「そうよ」
議員達がいっせいにざわついた。
「今まで、どこにいらっしゃったのですか」
「ごめんなさい、深い事情があったの。それは後で説明するわ」
「巫女が来てくださった」
「これでひと安心だ」
議員達が
「敵の手により、『
「誰の
ダイアンは答えようとした議員に顔を向け、
「
「は、はい……。よくご存じで」
「あとは
「パトリックのことね」
「それもご存じでしたか」
もはや、ダイアンが巫女であることを疑う者は、誰一人としていない。何もかも
「二人はまだ上にいるのね」
「はい。
ダイアンは
「お前達、お
「は、はい!」
議場の奥へ向かったダイアンを、守衛の二人が追いかける。扉の近くで
◆
各通りには、
また、人間かゾンビかの
「今よ! 急いで!」
「建物の中はゾンビだらけだそうです。岩の
レイヴン城の
「ゾンビを先にどうにかすべきなんですが、東地区や西地区も
ゾンビになっても
一方で、集団でいることを好むタイプや、
「岩の巨人は
「わかりました。あれは僕がどうにかします。そのすきに避難をお願いします」
「……岩の巨人をですか?」
目の
ゴーレムはこの手で残らず
ジェネラルらがそうしていたように、
近くにレイヴン城を取り
ウォルターは魔法
十分な距離をとった状態で、背を向けたゴーレムへ『かまいたち』を
「おい、よせ!」
近くの路地から
その上、ウォルターが攻撃に
ゴーレムがウォルターに向かって
オーソドックスな『かまいたち』は
人間なら、たとえ
しかし、
普通の『かまいたち』ではダメだ。ウォルターは十秒近い時間をかけ、
その結果、
「『風』の魔法で……」
見守っていた魔導士の一人は
しかし、距離はたかだか五メートル程度。ダメージも
もっと吹き飛ばせる距離をかせげれば、
他に策はないか。
「早く逃げろ!」
顔を上げると、
しかし、敵の
しかし、空中を舞っている
空中飛行は、
なぜなら、
『かまいたち』ならどうなるか。ぶっつけ
次のアイデアは、石壁と思いきり衝突させ、その
そして、
(この程度の衝撃じゃダメか……)
起き上がろうとしたゴーレムに、ウォルターは『
効果がないと見て、『
ウォルターはもっぱら『風』と『火』の
対して、他の三つの属性は、ヒマを見つけてコツコツと練習をかさねたものの、目に見えて
続けざまに形成したそれを、敵へたたきつける。ゾッとするような衝撃音が何度もひびいたが、それでもゴーレムは沈黙しなかった。
(もっと力が――もっと力がほしい)
ウォルターは
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