デリックの悔恨
◆(三人称)
サイコは
(もし、『あの
サイコは『あの御方』の〈
『あの御方』は
『インビジブルは使える男だ。ローメーカーとの間を取り持つように』
そう言い残したきり、またどこかへ行ってしまった。それ
十年来、サイコはローメーカー――『最初の五人』の一人で、〈外の世界〉を
コートニーが
その時、
「ウォルター!」
手を取ったコートニーを引き上げ、しっかりと抱きとめた。二人が手を取り合ったまま、
そんな二人を
(まさか、あの男の中にいらっしゃるのでは……)
あり得ない話ではない。『あの御方』がサイコ達を生み出す前、『
そして、十数年間
だが、
しかし、サイコはその考えを飲み下した。きっと
ウォルターにますます手が出しづらくなった上に、ことごとく予定が
これ以上の
「待ってくれ! 俺は違う、俺は違うんだ! 金で
◆
その日のうちに
デリックは拘束された状態でイスに座らされた。その
どこで足を
デリックは
行く
それでも
そして、アシュリーの両親の
ローメーカーは多くの血を流すことを好まない。敵の
メイフィールド開発計画はその
しかし、
ドワーフ王は共に国を打ち立てた
さらに、ローメーカーが新しい能力欲しさに、『
反乱により、半数以上の〈侵入者〉が引き上げられた。デリックの事業――攻略作戦の準備工作はたちまち
それが今回の
◆
「あなた達が反乱を起こした目的を聞かせてください。いいですか?」
「嫌ですよ」
デリックが
「あなたの能力は聞かされている。確か、名前は〈
「お前、自分がどんな
ケントが相手の肩をつかんで声を
「わかっているからですよ。数々の
デリックは開き直っていた。パトリックは
「あなたの部下がどこへ逃げたか
「それを教えたら逃がしてくれるんですか?」
「それはお約束できません」
「それなら、できない相談です」
その後の質問もはぐらかすばかりで、デリックはまともに取り合わなかった。パトリックは大きなため息をつき、ニコラに顔を向けた。
「
ニコラは「は、はい」と
口で処刑を覚悟していると言っても、デリックは
「何か、言い残したことがありましたら。いいですか?」
心ここにあらずといった様子のデリックは、見事にパトリックの
「お前らは知らないだろうが、〈外の世界〉で
ローメーカーの能力〈
何でもできるというわけではない。
「この国に〈侵入者〉を送り続けたトランスポーターが、数年前、ついにローメーカーの
〈
サイコという複数の能力を持つ存在から、パトリックは
「
俺達に勝っていい気になっているようだが、今回の反乱は
南からの攻撃もあると思わせることで、お前らの
ふるえながら待っていろ。もう、この国は終わりだ。今のうちに、せいぜい我が世の春を
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