敵陣突入
◇
「
「〈
「それなら、
「まあ、おそらくは……」
「元の場所に戻すことは?」
「戻せるのは一人だけです」
「つまり、敵の能力者は
「おお、そうですね」
ロイの
「
「回収に来たところをたたくんですか?」
「いや、それは確実性が低い。敵もバカじゃないし、逃げられたら
「君が
空を飛んでいくということか。確かにできる。屋敷へ行くだけならわけもない。でも、銃で
「マスケット銃は
これまで通りの戦い方では、いたずらに
「わかりました。やります」
「そうか、さすが僕の見込んだ男だ。学長に
◇
作戦会議を前に三人の
「何だ、お前も来たのか」
聞けば、パーティーがあった日のすぐ後から、デリック・ソーン
「別の〈侵入者〉が
◇
「南側の
敵は地形を
「
そうパトリックが切り出すと、ロイが
「
「……単身で?」
隊長のジャックだけでなく
「すいません。カッコいいから単身と付けましたが、一人でなくてもかまいません。ただ、連れて行けるのはせいぜい二人です」
「しかし、
「
「私がウォルターと一緒に行くわ」
「それなら、俺も行く」
クレアとヒューゴが手を上げる。自分的にも、二人とならやりやすい。
「我々はこれまで通り戦うだけでいいのか?」
「はい。ただ、できるだけ
「敵のはさみ
「それにも対策があります。ウォルター達が能力者の行動を
奇襲を行う場合、能力者は仲間の回収のため、こちらへ必ず姿を現すはずです。
いざとなったらウォルターを呼び戻すオプションもあります」
「……屋敷へ突入した彼を呼び戻せるのか?」
「大丈夫です。ウォルターはそれができる男です」
いっせいに視線を注がれたので、自信満々とうなずく。説得力ゼロだけどできる。スージーに『
自分の能力は隠してもしょうがない
パトリックと能力者を待ちかまえるのは侵入者対策室の二人――ニコラとケントに決まった。
すぐにでも部隊を動かせるということで、
◇
今夜の作戦にそなえ、部屋の
まだ
ふと顔を上げると、部屋にコートニーの姿があり、パトリックと一緒に隊長のジャックと話し込んでいた。
「彼女はコートニーです。アカデミーの
「
なごやかなムードで、
部屋を出て行った二人を追いかけ、「どうだったんですか?」と声をかける。
「能力を持った人も、能力をかけられた人も、ついでに、ゾンビもいなかったわ」
「能力なしでも
◇
丘のほうへ目をこらす。時おり炎や
『
クレア、ヒューゴとその時を待ちながら、パトリックとの最終確認を思い出す。自分はともかく、二人は『
予定時刻がせまってきた。そろそろ、屋敷の
二人と準備に取りかかる。屋敷へは数百メートルの大ジャンプになる。念のため、お
「みんな覚悟はいい?」
「敵の
「そうです。気を引きしめていきましょう」
「むしろ、私が一番
言われてみると、自分は
「やっぱり、背中のほうが良かったかな」
「さっさと行け。誰かに見られたら恥ずかしい」
敵の目が少ない丘の北側から突入する。日は完全に
『突風』を
上空から
「右だ右だ」
「もうちょっと左じゃない?」
「お前は見てる向きが逆だ」
混乱するだけなので、二人の声は聞き流して
「早くロープをほどけ」
二人とつながっている自分は、屋根の上に寝そべり大人しく待った。
ロープをほどき終わったヒューゴが
ヒューゴがすかさず『
「おい、屋根から誰か落ちたぞ!」
屋敷の
三人でタイミングを合わせ、屋根から飛び下りる。屋敷の
「俺が外の敵を引きつける。お前らは屋敷に入って能力者の女をさがせ」
ヒューゴにうなずきを返す。「気をつけて」と言い残したクレアと一緒に、
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