蜂起・襲撃
デリックの蜂起
◇
会議の終了後、二人きりになってから、パトリックに話を向けた。
「ふと思ったんですけど、
「三人に能力を与えたのはウォルターでしたね。ただ、命令の話は
僕は押し
「……言えないような命令ですか?」
「いえ、違いますよ。言えますけど、話せないんです。ロイにでも聞いてください」
レイヴン城を後にすると、
「シャバの空気はどうだ?」
「変な言い方はやめてください」
「
「
「よし、ウォルターの
たかが一日で
「異世界へ行って自分に協力してくれとかいう、
「私達もそんな感じでしたよね」
「その能力はこちらの世界でも使えますか?」
「たぶん、使えると思います」
以前に
「
「いえ、それはちょっと……」
あからさまに嫌な顔をして
「そういえば、前にもう一人ぐらい現実から連れて行こうかと言ったら、
するどい痛みは数秒間でおさまったものの、現実でも異世界でもモヤモヤとした
◇
会議の日から三日がたった。レイヴンズヒルから
五年前の事件にしても、
たとえそうでも、
あいつらの能力が
『
気がかりはあいつらと、こちらも
そうこうしていると、ジェネラルが
参加したいのは
◇
ささいな手がかりも得られず、一週間以上が
レイヴン城で
「デリック・ソーンが
「はい。サウスポートで数日前から
デリック・ソーンがパーティー会場から行方をくらましたのはカーニバル前。先にこっちが動き出したか。あの七つの能力を持つ女も一緒だろうか。
◇
敵は
ついでに、ロイ達三人も
ロイの能力は
サウスポートは馬を使えば一日でたどり着ける距離にある。この国
◇
翌朝、
サウスポートはせまい土地に建物が
「あの
その丘は海から少し
よくよく考えれば、こんなにぎわった街で反乱が起こるなんてとんでもない
「敵の数はどれくらいですか?」
「それほど多くありません。三十人以上、五十人未満といったところでしょうか」
「こちらの
「数の上では
パトリックに続いて、クレアがこう質問した。
「敵は元水夫が中心だって話だけど、魔導士はいないの?」
「
デリック・ソーンの部屋で大量のマスケット銃を発見したのを思い出す。やはり、反乱のための準備だったのか。
「
たった三度の
ジャックが
「あと、我々の作戦が
二日前に
「〈
パトリックが「おそらく」と
いや、待てよ。女は〈
「彼らの目的は何でしょうか。何か、要求みたいたものは?」
「それがわかりません。屋敷の
「ゾンビのような敵が
「ゾンビですか……? いえ、そういったものは」
「わかりました。おそらく、我々が追っていた能力者が敵方にいます。いたずらに不安をあおるため、これまで
それから、パトリックが女の能力について説明した。能力の
『
「普通なら手に
もうあの女は恐れるに足らない――とまでは言いきれないけど、先日取っておきの
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