樹海の戦闘
◆(三人称)
〈
「本当にそれが人間の
「人間の
「誰かの指示がないと、何もしないということかね?」
「命令がなければ何もいたしません。ただ、お
イェーツ卿はこの
「それは生きているのか?」
「先ほど申し上げた通り、これは人形にすぎません。ご
「荷物を運ぶ以外、どんなことができるんだ」
「単純な命令ならば、何でも。我々が新たな命令を
ダレルがこう口をはさんだ。
「追加料金を支払わなければいけないわけですか?」
「人一人をお
「この
「
「急に暴れ出して、人を襲う心配はないのかね?」
「命令にないことは行いませんので、ご安心を」
「裏を返せば、命令さえすれば人を襲えるということだな?」
「まあ、そうなりますか。キヒヒッ」
「人に
関わってはいけないものに関わってしまった。イェーツ卿はなるべく
「イェーツ卿。お言葉ですが、あんな
イェーツ卿に歩み寄ったダレルが声をひそめて言った。
どう相手を
「〈外の世界〉ではこれが当たり前にいるのか?」
「これは我々お
「残念ながら、君らとの
「そうですか……、それは残念です」
高齢の男が
「とりあえず、取引を
イェーツ卿が
文書に目を通し始めたイェーツ卿が
「何をする……!」
「お気をつけください。
「こんなことをして、どうなるかわかってるんだろうな」
高齢の男が
「皆さんのお役に立てればと、
「おい、
声を上げたサムが思わず息をのんだ。ウリ二つの
「完全に囲まれてるな。五十以上……、いや、もっといるか」
別方向からの
「はりきって作りすぎてしまいましたから。手にあまるかもしれませんが、皆さんのほうで処分していただけますか?」
◆
護衛達が周囲の〈泥人形〉に気をとられているのを
「待て!」
「終わりましたら、声をおかけください。この方はお返ししますから」
後を追おうと
「
それは最初に
体が
生物ではないと頭でわかっていても、その様子を見た
「頭がもげてもお構いなしか」
すかさず電撃でマヒに追い込んだが、倒したと思っていた〈泥人形〉達が
「ダメだ、炎が全く通じない!」
土のかたまりである〈泥人形〉は『火』をものともしない。ひるむ様子すら見せずに、
『風』はゾンビを相手にする時と
ネイサンが用いる『氷』は、
最も効果を上げたのが『雷』だ。
同じく
結局、魔法で敵を
ダレルら五人が『水』・『風』・『雷』を用いて足止めを行いつつ、一体のみを広場まで誘い込み、それを
そして、足止めの魔法が使えないネイサン、サムと協力し、直接攻撃に移る。基本的に足の
息の合った
しかし、部隊は原っぱに
「ダレル、あの研究員のことを頼めるか?」
「わかった」
「ネイサンはウッドランドへ戻って、応援を呼んできてくれないか?」
◆
ウッドランド
「お言いつけ通り、皆さまが出発されてから使いを出して、ダベンポート卿のお屋敷へ行かれた
「……イェーツ卿が?」
「
「そんなバカな。ありえない」
頭が混乱してしまい、ネイサンはなかなか言葉を
「それはどのくらい前だ?」
「一時間以上前です」
しかし、戻ってくるには早すぎる。ネイサンはその考えを
「何かございましたか?」
「やつらと戦闘になった。
「それは大変だ」
「悪いが、あいつらをここへ呼び戻してくれないか?」
「わかりました。ただちに使いを出します」
応援の部隊が戻ってくる頃には日が暮れているかもしれない。ネイサンはいても立ってもいられず、〈樹海〉へ引き返すことに決めた。
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