泥人形
◆(三人称)
事件後に〈資料室〉へ
〈
「ネイサン、今週いっぱい
「ん? レイヴンズヒルなら仕事をほったらかしてでも行くぞ」
「残念ながら、レイヴンズヒルじゃないんだ」
「山はもう二度と行かないぞ」
『山』とは
「
「山も森も同じだろ。人間が住んでいないところには行かない。男しかいないところにも行かない」
「女ならいるぞ。
「何だよ、〈樹海〉かよ。魔女ってシワシワのばあさんなんだろ」
出身は〈
かねてより
『転覆』後はジェネラルに
ところが、彼はその
ネイサンはパトリックと
ただし、彼の
ネイサンは
「いや、外世界研究会の集まりじゃなくて、れっきとした
「何だよそれ。今から序列を下げてもらうよう
ネイサンは序列十位台、二十位台を行ったり来たりだが、
夜の遊びにかけては右に出る者がいない、女性にモテたいがため
「おいおい、ムダなあがきはよせ。もう決まったことなんだ」
「何で八人なんだよ。ヤバいなら八人と言わずに百人くらい連れて行けよ」
「あちらさんのご希望だとさ」
「あちらさんってどちらさんだ?」
「何も聞かされていないが、〈樹海〉を待ち合わせ場所に
二人はこの
「それで、森へ
「さあな。あちらさんの
「そんな
◆
レイヴンズヒルからはるばる足を運んだイェーツ卿には一人の
イェーツ卿
〈樹海〉の中へ入れるのは十名までという条件をつけられていたが、
準備ができ次第、
「
「数キロ南にダベンポート卿の屋敷があります。
「そうだな。我々は戦争ではなく、交渉をしに来たのだからな」
イェーツ卿が
「イェーツ卿。それはかまわないんですが、
「実は私も聞かされていないのだ。何でも、
「人手不足を一挙に解決……?」
こうして、護衛として〈樹海〉へ付きそう予定の
その翌日、これまで伝言しか寄こさなかった相手方の
同行できるのは十人までというもの以外に
◆
〈大山〉の大噴火後に
高齢の男は右に左にフラフラと、
「もう少し先です」
「ずいぶん
「道は合っているんだろうな?」
「ご安心ください」
「おいおい、大丈夫か。〈樹海〉で
ネイサンが今すぐ帰りたそうに言った。イェーツ卿が高齢の男にたずねた。
「君はどこの街の出身だ。相手方に金で
「ご想像にお
護衛の一人――サムが「……
「では、交渉を始めるとしましょうか」
護衛の一人――ルイスが「お前かよ……」とあきれた様子で言った。
(この男、
ネイサンが
「待て待て。私はこの国を
「
「君が代表なら、なぜこんな〈樹海〉の
一歩進み出た
「うちの商品は
「
「では、
高齢の男がそう言うと、原っぱの先にある
それは人の形をしていた。けれど、明らかに人ではない。全身を土でぬり
前に進んで歩いているのが
「彼らには〈
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