エーテルの怪物
◆(三人称)
「それで、どうだったんだ?」
「
「ああ」
「だったら、リンクは切れても、命令までは
今回、二人がレイヴンズヒルを訪れた最大の目的は、〈
ネクロの能力である〈
リンクの
「私も〈
「それなら、『アレ』の
『アレ』とは彼らが
まだ大門の様子に
ところが、彼らが橋を渡り終える直前、
あっ気に取られたスプーを、ウォルターはするどい目つきで見すえた。
「ハロー、トリックスター」
ネクロは
「ギル。あなた達がトレイシーを殺したんですね」
「そうだ。君のおかげで、その名はもう
「彼はスプーっていうんだ」
「
スプーは
「私が時間をかせぐ。その
「オッケー。でも、またお引っ越しか。まあ、
「私が相手になろう。見ての通り、後ろのやつは
スプーが手ぶりで
「あなた達の目的は何だ」
「逃がしてくれるなら答えてもいいが、そうもいかないんだろ?」
ウォルターは
「
「やってみなければわからない」
「もし勝ちたいのなら、『
ウォルターが表情をゆがませる。トリックスターと呼ばれることにも、巫女をエックスオアーと呼ぶことにも、
スプーが
しかし、自身の
しかし、ウォルターはバク転のように飛び上がって、それを流れるような動きで
スプーは一歩も動けないまま、
(〈
スプーはあせりの色を隠せず、日頃のポーカーフェイスを
ただ、同時にウォルターの甘さも見ぬいた。『かまいたち』でなく『
平和な国家で生まれ育ったいち高校生にしてみれば、
「認めよう。我々は
ハッタリだった。
とはいえ、
さらに、
また、エーテルを体内に取り込んだ
ただし、彼らの実体はあまりにひ
それがかろうじて使用できるのが〈
はたして、手負いのゾンビでこの男を足止めできるだろうか。疑問を持ち始めたスプーがソっとネクロへ視線を送る。すでに体から脱出したかは不明だが、
(この体は気に入っていたんだがな)
スプーは
それは五年前の〈樹海〉において手に入れた、言わば
「殺す気で来い、トリックスター! さもなければ、君の勝利は
実体の
できればさけたい
ネクロの乗り捨てたゾンビが起き上がり、スプーがそれを視界の
スプーはそれを
ウォルターは
ウォルターはすぐに起き上がった。相手は
ゾンビと化しても、相手は知り合いのトレイシー。敵と認識するにはとまどいがある。
ゾンビに気を取られたウォルターを
それを
足首につかみかかってきた相手を、
◆
スプーは
それがネクロの実体だ。ウォルターが運動公園で発見し、『黒いマリモ』と
巨大な
また、体の周囲に
「やっぱり、魔法はいいね。
のん
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