ネクロ追跡
◇
少し
「ローブを着た人がここを通りませんでした?」
「ローブは着ていなかったけど、今しがた、そっちから来た〈
「ああ。ラインが太かったから、たぶん
まさか、ラッセルがゾンビをあやつっていた人物……? いや、ラッセルは優しくて人の良さそうな人だった。そんなことは信じたくない。
守衛の人にそそくさとお礼を言い、西門をぬけて
ただ、赤いラインの入った制服はよく
確かなのは、中央地区方面へ向かっていることと、
◆(三人称)
ネクロはウォルターの追跡に気づいていた。スプーと中央広場で落ち合う約束をかわしていたが、
ただし、中央広場には
また、ネクロには
現在は
実際、目撃情報を頼りに追跡していたウォルターは、しだいに
とはいえ、ウォルターの勘がするどければ気づかれる可能性はある。また、通行人と一緒に目撃されれば、その事実は
中央広場まであと少しというところで、ネクロはウォルターと
ネクロは
さらに、常時『扮装』した状態だったため、少しも
フードを深くかぶったまま、怪しまれないよう、あえてウォルターのそばを通りすぎる。市街でフードをかぶるのは
しかし、ネクロの
けれど、後ろからついてくる
逃げ道を
「……どうして気づいた?」
「におったんだ」
これは比喩ではない。ウォルターには言葉通りクサかった。すれ違いざまに
「あのゾンビからも似たようなニオイがした」
「
ネクロは
「私は戦ってもいい。しかし、君はどうする?」
おもむろにフードを脱ぎながら、ネクロが振り返る。
「
くぼんだ目にやせこけた
「つまり、この姿こそが私の本来の姿ということだ。君はこの体を傷つけられるかい? まだ、生きているかもしれないよ?」
〈
その中には、これがトレイシーの
しかし、トレイシーは
現実をなかなか受け入れられず、ウォルターの注意が
「乗れ、ネクロ!」
かけつけたスプーが
ウォルターは一時的な
「残念! こいつはもう
遠ざかっていくネクロが、せせら笑うように
◆
スプーはレイヴンズヒルの
ネクロは馬の背に腹ばいとなって、かろうじてしがみついている状態。片足はあぶみにかかっていたものの、もう
「片足を引きずられているのだが?」
「少しは
「〈侵入者〉が市街に侵入した。ただちに、内側の門を下ろせとの命令だ」
ガラガラと
ネクロは
ふとスプーがレイヴン城へ一直線にのびる中央通りを振り向く。ゆっくり進みながら、
大門の
格子門にはりついたウォルターが
ネクロと共にいるのがギルだったことに驚きを隠せなかった。
「さよならだ」
「グッバイ、トリックスター」
スプーは勝ち
門が上がるのを
高さ三十メートル以上という
すかさず『風』の
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