外の世界と侵入者とマスケット銃
◇
「ねえ、少し時間ない?」
クレアが
本当は
中央に置かれたテーブルはホコリをかぶり、
この
「
「まだ会員は二名にすぎませんが、この場所で月に一回は
毎日のように何か手伝わされたらたまらないと思っていたので、月イチと聞いて
「会員の
「もちろん。
「じゃあ、具体的にどういうことをやるかを」
「
意外に
「晴れの第一回会合は今度の日曜日です。とりあえず、ここの
「……わかりました」
休日をつぶされるけど、弱みをにぎられた以上、
◇
お互い仕事を抜け出して来たので、その後すぐに解散した。
コートニーとスージーの二人は、ついさっき食材の買い出しに行くため、先に屋敷を後にした。ロイは屋敷に
まずは外世界研究会のことを報告し「別にかまいませんよね?」と確認した。すると、
「のめり込んでほしくありませんが、事情があるなら仕方ありません。彼女の
〈外の世界〉や〈樹海〉がからむと、パトリックは
「彼女は復活させると言ってましたけど、以前にも存在したんですか?」
「はい。私が立ち上げた
五年前といえば中央広場事件か。話の流れからすると、主犯の
「そもそも、どうして空を飛ぼうなどと思ったんですか?」
「軽い
「試合で魔法と能力を併用する状況が思い浮かびませんが」
「試合だけが戦いではないですよね? 〈侵入者〉とか、例のトランスポーターとか」
その場しのぎの言い訳ではない。練習の時は、自由に空を飛びまわる欲求が
「〈侵入者〉との戦いまで
最後に
「この国には剣とか
以前から不思議に思っていた。
「古い物ならあるのですが、現在は製造も所持も禁止されています。
確かに、接近戦ならまだしも、剣や槍では魔法に
「僕らの世界より未来をいっていますね。……いや、
ロイが
「武器や防具がどうかしましたか?」
「空を飛んでいる時、両手がガラ空きなので武器があったら攻撃に使えるなと」
「機会があったら探しておきましょう。ただ、
「〈侵入者〉はどんな武器を使うんですか? 魔法ですか?」
「魔法は使いません。我々の
部屋を出て行ったパトリックが銃をたずさえて戻ってきた。
「これは
ロイと一緒に観察する。アンティークで結構かっこいい。黒ずんだ
「
現実に戻ってから調べてみると、フリントロック式と呼ばれる火縄銃の
「これは使えるんですか?」
「おそらく使えますが、
「このレベルの銃があるのなら、
火縄銃と同じく
やっぱり、重力操作でどうにかすべきか。ただ、十メートル程度では
「ところで、〈外の世界〉とはどんなところですか?」
「どうも記憶があやふやなので、
「この国が『
「おぼろげに覚えています。ただ、巫女が関係しているからなのか、『転覆』前後の記憶が
この国を『転覆』させたのは、
「この国とあまり変わらない認識でいいですか?」
「いえ、人間が
「
「あなた方の世界にもいらっしゃいますか?」
「広く知られていますが物語の中での話です。実際にはいません」
これまで出会った
「やっぱり、この世界を
「君じゃないのか? よくそういう小説を読んでいるじゃないか」
そんな気がしなくもない。ここで話題を変えた。
「そういえば、今日ジェネラルが直接会いに来て、
「……ジェネラルがですか?
パトリックがドン引きするくらいの勢いで飛びついた。
「私も
言葉通りに受け取れない。もう裏があると勘ぐってしまう体になった。
「士官になれば、
「ウォルター、ぜひ受けたまえ」
ロイがすかさず
「もっと
「なおのこと良いじゃないか!」
「それは
「それはそれでかまいません。士官に昇格することと関係ありませんから」
ロイが僕の肩にポンと手を置き、無言の圧力を加えてくるも、
「何かデメリットはないんですか?」
「試合でマッチアップされる相手が士官になるくらいです。
その程度なら
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