第3話。Helas Madame

身長180cm以上のガッチリとした肩幅に金髪ブロンドが肩まで掛かっている。

この筋肉質でスマートな体系をしたハンサムな青年がヘンリー8世なのだろう。


左手には弦楽器リュートを持ってその場で語り弾きを始めました。


”ああ私の女性キャサリン、私はあなたが大好きです~”

”あなたの敬虔けいけんなしもべになるために私を苦しませてほしい。”


”あなたの敬虔けいけんなしもべに、私は永遠になるよ”

”そして私が生きる限り、あなた以外の誰も愛しはしない。”


この後も3分ほど語り弾きが続く愛のラブソングが歌われていった、スポーツマンっぽい見た目なのに素敵な演奏を奏でていてなんてカッコいいんでしょう。。。


演奏が終わった途端とたん拍手喝采はくしゅかっさいが一斉に沸き起る。

ヒロトさんは揉み手をしながらヘンリー8世に世辞せじを言っていた。


「いやはや!素晴らしい演奏でした殿下、殿下の才能に皆心を奪われました!殿下の為でしたら我々は命を差し出すことも惜しくはないでしょう」


「うむ、そうであろう」


こ、これは!”社交辞令しゃこうじれい”私と同い年なのにヒロトさんは何て大人なんでしょう。


「そうであるか…。”コミンテルン”よ、近々余は狩猟ハンティングを催そうと思ってな其方そちらの参加を認めてやっても良いぞ」


「は、ははー!ありがたき幸せ!是非ともお供させてもらいます」


ヘンリー8世は”楽しみ”にしていると言って酒場を去って行きました。


しばらくの静寂せいじゃくの後に誰かがポツリとつぶやいた


「これはデカい仕事になりそうだ」


「ああやべーな、だがこれはチャンスだぜ?」


パン、パンと手の叩く音が聞こえ皆一斉に静まり返る。


「え~、さっき殿下から狩猟ハンティングの参加の申し出を受けました。”次期国王”主催の狩猟ハンティングもよおしだ、当然”大貴族”やら”権力者”も参加するだろう、俺達の存在感をアピールできるまたとないチャンスだ!最近何かと落ち目の俺達にはまたとない機会チャンスだ!絶対成功させよう」


皆ざわざわとざわつき始めました、やってやろーぜと言う声も聞こえてきます。


「えー、この後幹部たちは打ち合わせのために残業で~すw今日の歓迎会はここでお開きにしま~す。それと、リサさんにはこの機会チャンスを作ってくれて感謝している、褒美ほうびとしてユウタのおっぱいを揉ませる権利をやろうw」


「はあ?ヒロトお前何言ってんだよ?」


「おい!みんなで”ユウタちゃん”を抑えろ!」


皆が一斉にユウタさんを羽交はがい絞めにして暴れるユウタさんを抑え込んでいる。


「リサさ~ん早くして!こいつがキレる前に!」


私は困惑していた、何でユウタさんのおっぱいを揉む羽目になったのかと?

しかし、今の異世界での姿は33歳の立派な男だ本能が揉めと訴えている。

地球での私は17歳の女子なのだこれはセクハラではないはず・・。

しかも先輩方がやれという同調圧力どうちょうあつりょくには耐えられはしない、よし揉もう。


「じゃあ、じゃあ失礼しまーす」


「や、やめろ!ふざけんな~後で覚えとけよ!」


両手でユウタさんのおっぱいを揉みしだく”もみ,もみ,もみ”あ、意外と大きくてそして柔らかいんだな~。”モミ,モミ,モミ” ”モミ,モミ,モミ"はっ・・つい何も考えずに無言で揉んでしまっていた。”もみもみ・・”

ユウタさんってすごく可愛い顔だよなぁ、時々ユウタさんが上げるあえぎ声に私の男性器が反応してしまった。これが”異世界”の神秘か・・・。


「ぷ!あははははwwリサさん気持ちよかった?wじゃあ今日はもうこれで解散~かいさ~ん」


「あ!リサさんは今日から幹部候補だから、明日の9時の会議に出席してね~w」


皆一斉に酒場から散っていった、しかしトントン拍子に出世してしまったなぁ~。

でも困ったなぁ、私の息子が全然治まらなくて不安になってきた。。

それと私は今日どこで寝泊まりすればいいんでしょうか・・・?



”コミンテルン”の宿舎で目覚めた私は朝の会議に出席するのであった、これが初出勤かぁ~緊張します。


「リサです、失礼しま~す」


ドアをノックして入るともうすでに全員集まっているようでした、失敗したなぁもっと早く来ればよかった。

ユウタさんと目が合った瞬間にチッと舌打ちされました、ちょっとショックです。


「では会議を始めま~すwまずはユキマサさんからの報告をよろしくw」


「ワイからの報告は、投資の収支結果が出たので発表するで。投資額に対する利益率りえきりつは6000%を超える見込みやで」


「「おおーーー」」


え?6000% ?ユキマサさんって天才投資家トレーダーだったの??


ヒロトさんがここで口を開いた。


「やっぱりさ、俺達も参入さんにゅうすべきだと思うんだよね。もう騎兵の時代も残念ながら終わってるしさ」


「だから、何回その話を言わせるんや、現状では無理やと何回も言うてるやろ?話聞けや!ローリスクで稼いでるだからええやろ」


だ、ダメだ話についていけてない・・・。

ここは知ったかしないで恥を忍んで聞いてみよう、”聞くは一時の恥”知ったかすると絶対後々困りそう。


「あ、あの~ごめんなさい。話の内容が理解できてないです」


「あ、そうだったね。リサさんにはまだ説明して無かったよね?俺達”コミンテルン”はある男に出資してるんだよね、名前は”ウィリアム・ホーキンス”っていう商人で私掠行為しりゃくこういで大儲けしている」


「つまりはAragon=Hapsburg帝国相手に海賊しているってことさ。Aragon=Hapsburg帝国は新大陸から略奪している金銀財宝で儲かりまくってる。6000%もの配当でも実際やる人間からしたら微々たる額なんだよね」


は、はぁ・・成る程つまり、ヒロトさんは”コミンテルン”も海賊行為に参入すべきだと言ってるのか~。

でもそんなことしたら国に処刑されそうで怖いな。


「んでwここからが俺の報告なんだけど、チーム”足立ブリガンズ”からの打診があった、内容は一人勝ちしているチーム”上総学園”の足を一緒に引っ張ろうぜ!って内容だ」


「チーム”足立ブリガンズ”はValois王国の王フランソワ1世から正式に私掠免状しりゃくめんじょう(海賊行為許可証)を発行されたんだと、だがAragon=Hapsburg帝国相手に1人でやるにはきついから一緒にやろうぜとの同盟提案を受けた」


「ひええ~、あのクソガキどもマジかいな?流石さすが足立区民のクソガキどもやな」


「だよなwだがこのままではチーム”コミンテルン”は”足立ブリガンズ”のクソガキ共や、”上総学園”の馬鹿女ばかじょ相手に大きく離されるだろう。それだけは避けたい」


「当面の”コミンテルン”の目標はヘンリー8世に私掠免状を受けることとValois王国を叩き潰すことの2点だ。異論のあるやつはいるか?」


え?”足立ブリガンズ”ってValois王国の所属じゃなかったけ?同盟を組みたい相手を叩き潰すのってなんか矛盾しているような‥。


「チッ、無理に決まってんじゃねーか。ヘンリー8世がゾッコンの相手は、キャサリン オブ アラゴンだぞ?同盟国相手に海賊を仕掛ける馬鹿がどこにいるんだ?だが俺はValois王国を叩き潰すのには賛成だ」


「まーなwユウタ。書記長のお前は、ヘンリー8世が首を縦に振りたくなるような書状を書いてくれ頼んだぜw」


「「Valois王国を叩き潰すのに異議なし」」



こうして会議は終わった。結局私は何もしていなかったけど、会議に参加しただけで仕事をした感じがしてきました!


「あ、リサさーーん。この後の予定なんだけど2つ選択肢があって、

1つはこのままTudor王国に残ってホルド君の下で訓練を受けるのと、

もう1つはValois王国で”コミンテルン”と”足立ブリガンズ”と”上総学園”の3チームによる会合があるんだけど俺と一緒に付いていくかの2択なんだけどどっちがいい?w」


ヒロトさんの2択に私は頭を悩ませました。早く一人前になって皆と肩を並べたい思いと、正直力仕事は自信がないので事務仕事に徹する方がいいのでは?という思いに


私は・・・。


①ホールドさんの下で訓練を受けて早く一人前になりたいです!



②ヒロトさんと一緒に付いていきたいです!⇐


「そうwそれじゃあ行こうか!」


Tudor王国は島国なのですが、Valois王国との距離も遠くないので割とあっさり渡航して付くことが出来ました。

一面の草原や草花や麦畑が織りなす風景が広がるこのValois王国は、とても美しい国でした。


会合場所は”足立ブリガンズ”のホームで行うとの事でやってきました。

一面に広がる見渡す限りの牧草風景に、お馬さんの牧場があります、馬はどれも大きくてたくましそうです。

石畳の先を歩いていくと大きな石造りの家があり、

軒先のきさきにはタペストリーが掛けられており、狼が剣をくわえた金糸刺繍きんしししゅうに外観は真っ青な織物でした。


「おいすー”コミンテルン”のヒロトが来たぜーw」


「お、お邪魔します。。」


ヒロトさんはドアを開けると緩い感じで入っていきました、大丈夫なのかな?


「お!ヒロじゃーんおひさ~”上総学園”はまだ来てないから客間でまっててね!」


ドアの先の広め玄関ホールには何人もの女性が私達を出迎えてくれました。


客間のソファーに座っているとヒロトさんと私の両隣や付近には、十代~二十代の女性が接待をしてもてなしてくれます。

こ、これは!噂に聞く”キャバクラ接待”というやつでは!?


「ヒロ~例の件の話はおっけー?」


「おう!良いぜ、ヘンリー8世から私掠免状を貰ったら”足立ブリガンズ”と組むわw」


「やったー。流石ヒロー頼りになる~」


ええ?そんなにあっさり決めちゃうの?ユウタさんは無理とか言ってなかったっけ?


「あ、リサさん紹介するわ。今話してるこの金髪ブロンドはリョウで俺の元嫁w」


「リョウでーす、”足立ブリガンズ”のあたま張ってまーす」


「リサです、初めまして。」


その後の雑談の後にチーム”上総学園”がやってきた、皆30代後半以上のむさ苦しい男たちであった。まあ私も33歳のムサいおっさんなんだけど

異世界3大チームによる会合が始まった。


「んじゃあw司会進行は”コミンテル”のヒロトが進めるけどいいか?」


「「異議なし」」


「ではまず初めに、次のオフ会の日時と場所と会費をメッセで送るから参加者の連絡をよろしく!」


お、オフ会!? へ、へぇ~この人達って結構仲良しなんだ~。


「まず”コミンテル”からの提案だ、俺達 ”コミンテル”、”足立ブリガンズ”、”上総学園”が戦争中に敵対しても殺し合わないという”協定”の継続だが異論はないか?」


「チーム”上総学園”は異論ないわね」


「チーム”足立ブリガンズ”も異論ない」


「チーム”コミンテル”からは以上だ、”上総学園”からは何か提案はあるか?」


「あるわ、Aragon=Hapsburg帝国は新大陸へ入植する為に大量の漂流者(地球人)を入植奴隷として入植させています。近くない将来彼らは必ず独立戦争を起こすはずです、その鎮圧の援助を両チームに依頼したいのです」


なんか30代後半のおじさんが女口調だとおかまっぽいなぁ、私も口調を改めようかな・・。


皆がざわついていました、マジかよ?などの声も聞こえてきます。


「チーム”コミンテルン”は問題ない、協力しよう。万が一独立なんてしたら俺等はお終いだからな」


「ちっ、チーム”足立ブリガンズ”も異論はない。老害ろうがい共は潰す」


何で漂流者(地球人)が独立しちゃダメなんだろう‥?私の知らない常識がこの”異世界”にはきっとあるのでしょう。後で聞いておこう


「チーム”上総学園”からは以上です」


「んじゃあw最後に”足立ブリガンズ”からの提案はあるか?」


「提案はないけど”上総学園”に言いたいことがある。てめーら最近景気よさそーじゃねーか、お前らの財宝は俺ら”足立ブリガンズ”とValois王国がいただくく。さっさとよこしやがれ」


「このクソガキ。Valois王国風情が、Aragon=Hapsburg帝国の”無敵艦隊アルマダインベンシブル”にかなうとでも思ったか?それに財宝など腐るほど運んでるわ。少しくらい分けてもいいわよ?」


こうして異世界3大チームの会合は仲良く?終わったのであった。


「”コミンテル”のヒロトさ~ん、次の戦争でValois王国を潰すのを一緒に頑張りましょーね^^b」


「ああ、Valois王国は潰す。お互い頑張ろうなw」


本当にこの人達は仲がいいのでしょうか?やっぱり仲がいいのでしょう。

数週間後にはヘンリー8世主催の狩猟ハンティングが始まります私も頑張ろう!












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