お仕事とバカ騒ぎ
第2話。ようこそ!異世界へ
私ことRisaは今まさに人生をかけた決断をしようとしていた。
異世界で成功し”ガイド”として大金を稼ぎたかった、私にはどうしても金が欲しかった。
「はぁ・・不安だわ・・でも。。。」
私は《チームコミンテル》のVCチャンネルにアクセスする。
*必ずお読みください*
#read_me!
この部屋のページをクリックしたとたんに大音量でインターナショナル(ソビエト連邦国歌)が流れ始め、主要メンバーの5人の顔写真が映し出された。
デスゲームのプロゲーマー達。
リーダー。ヒロト
書記長。ユウタ
事務総長。ユキマサ
元帥。ホールド
上級大将。ショウゴ
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支援者、スポンサーの方は《チームコミンテル》財団に寄付をお願いします。
それと、同志の募集しています。意欲のある方は#text-globalまで
#text-chatはご自由にどうぞ!
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今や彼らの名前を知らない人間など日本ではまずいない、
日本が生んだ異世界3大チーム《コミンテル》、《足立ブリガンズ》、《上総学園》
その一角であった。
私は#text-globalに志望動機を書き込んでいく。
名前.HN Risa 年齢17歳♀。私はチーム《コミンテル》の一員として皆さんの仲間に入れていただきたいです!細やかでは有りますが、御仲間に入れていただければ父が遺した生命保険金の300万をお納めいたします。
私はリアルでは何も出来ない落ちこぼれではありますが、熱意と忠誠心だけは誰にも負けません。どうかよろしくお願いいたします!
私は書いていて虚しくなってきた、私の前後には私より優秀な経歴の持ち主や数千万~数億を払うから入れてくれ!と懇願するチャットが流れていくからだ。
暫くボーっとしていたらピロリン♪とメッセージが届いた。
【詳しく話を聞きたいからConference_Room_VCまで来てほしい。Pass 5566】
私の血流が一気に上昇するのを感じました、
このチャンス絶対に物にして見せる。
「こんにちは、今日偶々こっちに帰ってきてチャットを観たんだけどリサさんは俺達のチームコミンテルに入りたいの?」
「はい!是非同志に加えてください!」
「ははw同志ね。まずはリサさんの経歴と動機を聞かせてくれる?」
「はい私は・・・。恥ずかしながら高校を1浪してまして、現在高校2年生なのですが父が最近事故に合い亡くなりまして、少しでも生活費入れて母を楽させてあげたいと思い応募いたしました」
「おお?まあいいか、レジストレーションコードを渡すからそれを入力して、今から早めに来てね」
*ヒロトがCoference_Room_VCを退出しました。
これは一体?受かったのかダメだったのか判らない会話だった。。後私のHNはリサじゃなくてライザなのですが。。まあいいやリサで
母親に書置きを残し、
暫くして私の体の変化に気が付きました、背がいつもより高く、体中に筋肉が付いていて私の股間に男性器が生えていました。
「わ私?いや俺?お、おっぱいがない・・」
Risa.17♀→異世界後33歳♂
これが異世界の奇跡か・・。私がおっさんになるなんて。。
いや、それよりも《コミンテル》の人はどこにいるんだろう?私はここから何をすればいいんだろう・・・。
暫くすると衛兵?っぽい人が近づいて来ました。
「お前見ない顔だな?”メニュー”を出してみろ」
「”メニュー”?」
「何だ、”メニュー”も知らんとは…。メニューと唱えてみろ」
「メニュー!」
すると透明なボード版が空中に表示されたのでした。
①リサ レベル1。
②所属なし。
③帰還
衛兵はため息をつきながら言う。
「また新規の漂流者か。。」
「あの~。《コミンテル》の方達と待ち合わせをしているのですが、ご存知ありませんか?」
「ん?奴らの知り合いか?とするとお前がリサか?」
「ええそうです」
「ならば暫し待て、来たらアイツに呼んでくるように頼まれていてな」
衛兵はそう言い残して去って行った、、暫くすると中年男性が近づいて来ました。
「いや~リサさん?来るの遅いよ~~。5日くらい待ってたよ」
中年の男は酒を飲みながら私に近づいていきました、彼がたぶんヒロトなのでしょう
「あ、初めまして!私がリサです、《コミンテル》のヒロトさんでしょうか?」
「はい、俺がヒロトで~すw」
「あ、ジョン!呼んでくれてありがとな、この酒でも飲んでくれ」
「お?気が利くな!じゃあな、事後の手続きはしっかりやっとけよ」
「おう、リサは《コミンテル》が預かろう」
「じゃあリサさん街でも案内しようか!これでも”ガイド”って呼ばれてるからねw」
私はヒロトの後ろをガチョウの子供のように付いていくことにしました。
「お!リサさんツイてるねぇ~。Tudor王国の名物。処刑ショーが観られるなんて」
「へ?処刑?」
「今日の処刑人は?お!マックスじゃないか!あいつはおしめの付いた時からの知り合いでさ~、イケー!マックス!一撃で首を落せ!」
覆面を被った大男は片刃の両手斧を構えると、四つん這いになっている罪人に刃を思いっきり振り下ろし、一撃を持って首を切断し地面とキスをさせるのであった。
「う”」
私は思わず気分が悪くなりそうになりました、これが”異世界”覚悟してきましたが野蛮な人たちが多い世界なのだとそう思い知らされました。
「リサさん、ようこそ!異世界へTudor王国は君を歓迎するよ」
ヒロトさんは処刑ショーが観れてご機嫌だったのか終始笑顔でいました。
「リサさんの歓迎会を兼ねて酒場で飲みに行こうと思うんだけど、一度ホームに戻って皆に紹介しようと思うんだ」
「はい、ありがとうございます。所でさっき処刑された方は何の罪で処刑されたのでしょうか?」
「たぶん扇動罪かなんかじゃないかな?」
「あれは俺達と同じ漂流者で、ペニシリン《抗生物質》の有用性と生産を訴えて処刑されたんだよ。最近,
私はペニシリンというものが良く解りませんでしたが、私より断然頭の良さそうな人間でもあっさり処刑してしまうこの王国は大丈夫なのか?と思ってしまいました。
「さ!着いたよ。ここが俺たちのホームの《コミンテル》従士騎兵団だ」
辺りは一面に牧草が広がっており、お馬さんの牧場がありました。
地面には石畳が敷かれてあり、その先には大きめの木造建築物があります。
その軒先にはタペストリーが吊るされていて、鎌とハンマーがクロスされた
「皆聞け!新人が来たぞ!今日の仕事は終わりだ全員集まれ!」
ヒロトさんは家に入るなり大声で叫びました、私はかなり恥ずかしい思いをこれからしないといけないようです。
広い玄関ホールぞろぞろと何十人も集まってきました。暫くしてヒロトさんは私を紹介しました。
「今日から俺達,《コミンテル》の一員になるリサさんだ」
「リサです。よろしくお願いいたします!」
「みんなJKだぞ。JK」
「「おおーー」」
「チッ、見た目完全におっさんじゃねーか」
「いやユウタ、見た目30代やろ?ワイは30代はおっさんとは認めないで」
周りがざわざわと騒がしくなる中でヒロトさんの一言で全員が静まった。
「はい!静かに~。今から飲みに行くぞ!歓迎会をやろうぜ」
数十人の大行列で近くの酒場に向かうのであった、酒場の中は薄暗く衛生間などはみじんも感じられないような小汚い雰囲気でした。
「は~いwではリサさんと《コミンテル》にかんぱ~~い!」
全員がエールを一気飲みし机にドカッっと叩きつけていました、きっとこの飲み方がかっこいいのでしょう次は真似しよう。
「じゃああ自己紹介しま~す。まず俺から、ヒロト17歳こっちでは45歳のおっさんで~すw皆に担ぎ上げられてリーダーやってまーす!。ちなみにバツイチですww」
「ハイ次ユウタ!」
「俺はユウタ24歳、こっちでは17歳だ。見た目通りのかわいい女の子だ、俺に手を出すんじゃないぞ」
金髪長髪で見た目が清楚でかわいらしいが、自分でそれを言うのかこの人。。
「ユウタはここのアイドルだからねー。《コミンテル》もユウタの趣味で作ったんだぜw」
「はい、次ユキマサさん」
「ワイは、ユキマサ35歳やで、ここでは18歳やな。」
「ユキマサさんは《コミンテル》の管理、運営、投資、生産全てやってるから。ぶっちゃけこの中ではリーダーなんじゃね?って毎回思ってる、解らないことは全部ユキマサさんに聞いてね」
「ヒロト、ワイは急な人事の話は聞いとらんで?採用する前に一言相談してほしかったで」
「う”。悪い・・。でもこいつならいけるんじゃね?って思ってね」
「じゃ、じゃあ次!ショーゴ君」
「ショーゴ18歳です。。こっちでは43歳のおばさんです。。」
「ショーゴ君はこのチームの特攻隊長だから覚えといてね!」
「えぇ。。聞いてないけど。。」
「じゃあラストはホルド君」
「(ホールドです、むこうでは28歳でこっちでは70歳のおじいちゃんです)」
何だろう。。?小声で聞き取りづらい
「ちなみにホルド君はこのチームの対人戦最強で~すwでも本名は今でも知りませんw」
「よし!乾杯だ酒持ってこい!!あ、誰か歌え!」
ワイワイガヤガヤと酒場の喧騒が戻っていく中で誰かが歌うという無茶ぶりが提案されました、ここは新人の私が歌うしか!でも何歌えばいいんだろう。。
「じゃユキマサさんよろしく~w年長者の実力見せ付けちゃってくださいよw」
「それじゃあ歌うで、ビィールを回せ!底まで飲もぉ~あんたが1番!私が2番!ハドンドン」
「へい!エール10人前お待ち!」
「おい!亭主!!ここはビールだろーーが!ビールもってこいw」
「ああ??俺の店にケチ付けるってのか!!」
ワッハハハハ!!
酒の入った連中はどんな些細な事でも楽しくなってしまう、私も段々気が大きくなってきました酒の力とは恐ろしい。
「はい!私リサが今後の抱負を述べたいと思います!」
「「おおー。」」
全員が会話を止めこっちを見ている。
「早く一人前になって、《コミンテル》の皆さんと早く肩を並べたいです!それとこのTudor王国が好きになれるように尽くしていきたいです!」
酒で酔っ払って良く解らないことを口走ってしまったかもしれないけど、頭がぐらぐっらしてきてどうでもよかった。
「良く言った!やっぱ俺の目に狂いは無かったよ。ほら~ユキマサさん俺の言ったとおりでしょ?」
「リサさん俺達はTudor王国が好きなんだ!!いや愛してる!」
コツコツと足音が聞こえ私たちの目の前でその足音は途絶えだ。
「余もこの国が好きだ、誇りも持っている。そして余が即位する代でさらにTudor王国は栄えるであろう」
シーーンと急に酒場が静かになった、皆声のした方へ振り向いて止まっていた。
「これはこれは、ヘンリー8世殿下」
ヒロトさんが手を胸に当てて深々とお辞儀をしていた。
「よい、皆楽にせよ。今日は余の新曲を皆に聞かせに来たのだ」
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