268話
「でもぶっちゃけ告白なんて普通で良いと思いますよ?」
これは誠実が今まで告白してきた出した答えでもあった。
変わった告白をしたからと言って別に成功率があがるわけではない。
シンプルにただ真っすぐに思いを伝えることが大切なのだ誠実はその答えにたどり着いた。
「普通か……だが君はその普通の告白でも断られたわけだろ?」
「た、確かに!!」
どうやら誠実のいう事に説得力は無いようだ。
「告白って人生の中でも結構大きな部類のイベントだろ? 俺はそう言うの大切にしたいんだ! それに思い出に残る告白の方がきっと怜子も喜ぶだろ?」
「うーん……そう言われれば……そうかも……」
そして伊敷誠実は何も学んでいなかった。
「どうやったらインパクト抜群の告白が出来るだろうか?」
「うーん、花火でも上げます? いっそ打ち上げを」
「それだ!」
そして、会長も誠実もこと色恋に関しては大馬鹿だった。
「いっそ放課後に生徒会室に呼び出さしてとかどうですか? サプライズで花火上げて告白とかロマンチックじゃないですか?」
「そうだな! 生徒会室も雰囲気を出すためにミラーボールおいたりして雰囲気出すか!」
「流石会長! 分かってますね!!」
「だろだろ? よし! そうと決まれば伊敷君! 僕と告白の準備をしよう!」
「わかりました! 告白はいつするんですか?」
「思い立ったら直ぐ行動が僕だ! 早速明日の放課後に結構するぞ!」
「わかりました! じゃぁ今からホームセンター行って色々買ってきましょう!」
「優秀な後輩を持って会長は嬉しいぞ! じゃぁ早速レッツゴーだ!」
なんて事を言いながら二人はかなりのハイテンションで昇降口に向かう。
そして道中……。
「ん? おぉ誠実終わったか?」
「全く、何をしていたんだ」
「あ、武司に健。いや実は会長がな……」
「やぁ後輩諸君! 僕はこの学校の生徒会長だよ!」
「あぁ、何度か全校集会で見たな」
「肩まで組んで随分仲が良いんだな」
「そうだ! お前らも協力してくれ! 実はな……」
誠実は昇降口で待っていた武司と健に会長の告白大作戦について話した。
しかし……。
「会長さん、一旦冷静になりません?」
「この学校の生徒会長がここまで馬鹿だったとは……」
「あれぇ? なんで僕後輩に馬鹿認定されてるの?」
「おいコラお前ら! 仮にも生徒会長に向かってなんて口を!」
「あれ? 伊敷君? 会長は仮じゃないよ? 本物だよ」
「いや、どう考えてもおかしいだろ」
「ミラーボールの意味がわからん」
「それに花火だって先生に許可取らないとだろ?」
「まぁそうか……」
「それ以前にそんな告白は多分その田宮先輩嫌だと思うぞ」
「むしろ事わられるかもな……」
「え? 本当かい?」
「会長もなんでこんな馬鹿に相談したんですか?」
「確かにこいつは告白の回数こそ多いですが、全部ふられてますからね」
「ぐぅの音も出ないことを言わんでくれ……」
武司と健の二人に言われ、誠実と徹は落ち着きを取り戻した。
「うーん、生徒会室でミラーボールが回る中での打ち上げ花火の告白はダメか?」
「ダメっスね」
「ありえないと思います」
「そうか……じゃぁ、ミラーボールじゃなくてスポットライトで……」
「やめた方が良いと思うっす」
「というか、なんで照明関係に気を使うんですか」
「いや、放課後の生徒会室は暗くてな」
「普通の照明はダメなんですか?」
「ミラーボールの方が楽しいかなって」
「楽しいってなんだ……」
武司と健は生徒会長の少しアホな面を目の当たりにしてため息を吐いていた。
「この学校の恋愛偏差値低すぎだろ?」
「恋愛もしたこと無い奴がいうなよ」
「あぁ!? てめぇ健! 少しイケメンだからって調子乗んなよ!!」
「こらこら、喧嘩はいけないぞ君たち。僕の告白の手伝いをさせてあげるから仲直りするんだ」
「それ、俺達には何も特がないと思うんですが」
「むしろ罰ゲームだな」
そんなこんなで武司と健が仲間になった。
「えぇ!? 明日告るんですか?」
「あぁ、そうだよ」
「マジか」
学校を後にした誠実達は徹と共にコンビニでアイスを買い、食べながら告白について話をしていた。
「やっぱり僕は思うんだよ、思い立ったら直ぐ行動! 後悔のないようにね!」
「なんかこの人誠実に似てないか?」
「え? そうかな?」
「あぁそうだな、悪いところが」
「そうだな、悪いところが似てる」
「どういう意味だよそれ!!」
会長に似ていると言われ少し喜ぶ誠実だったが、健と武司の言葉を聞いて怒りをあらわにする。
誠実自信は気がついていなかったが、武司と健は実際少し似ている気がしていた。
「てか、告白の相談とかされても俺達良い思い出ないんだよなぁ……」
「だな、アドバイスしても本人が暴走するからな」
「おい、誰が暴走するって?」
「まぁ、その話は置いといて……」
「やっぱり会長さんは普通に告白するべきだと思うが?」
「えぇ~それはなんかつまらない気が……」
「なんでそんなにこだわるっすか?」
「告白って人生の一大イベントだろ? やっぱり心に残るものが良いじゃないか!」
「なるほど」
「誰かさんと違って相手の事を考えているな」
「ぐはっ!! や、やめろ! 古傷をえぐるな……」
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