第6話 異世界の神話伝承を考えるのって楽しいですよね

 大陸の北方は極に近く、広い範囲でオーロラを見る事が出来ます。シエリアではまだオーロラの仕組みが広く一般に知られていません。オーロラは、光の女神リューシャがドレスの裾をひらめかせて、世の人々を誘惑していると言われています。光の女神のドレスは虹色に輝く生地で作られていて、その為に時間や場所で色が異なって見えるのだと考えられているそうです。


 東方の地域でも、北部では珍しくないようで、夜空が裂けて、空よりも外にあるもの(宇宙など)が染み込んできているのだと言われています。この現象のせいなのか、東方にはいくつか言い伝えがあります。


・空の外は昼間のように光り輝いている

・空の外には神の血が満たされている

・空の外を包むように布がかぶせられている


などがあり、とくに、二番目の神の血は、その場所ではオーロラは赤く見える事が多いと想像がつきますね。


 北方の場合、オーロラは吉兆と捉えられ、東方では凶兆と捉えられるようです。地球上でも、ヨーロッパや中国などでは緯度の加減で赤く見えるため、災害や戦争などの前触れと考えられていた事がありますし、空が赤く覆われる様子は、とても恐ろしかったに違いありません。


 交通の便に極端な差が有るシエリアでは、カナダのようにオーロラ鑑賞を観光産業として役立てる事は難しいでしょう。しかし、もし交通と人々への理解が改善されれば、その美しさを体感したい人は多いかもしれません。


* * * *

 異世界モノを書く方々、単に文章で設定かんがえるのも十分楽しいけど、神話のエピソードや言い伝えを考えるのって楽しいですよね。これも文章というか箇条書きで


・北方 女神のドレスの裾。誘惑。虹色の生地。

・東方 空の外(宇宙)が見える。見える色によって言い伝えが違う

 ・赤

 ・緑

 ・青


……のように書き出して済ますばっかりじゃ、寂しいし、イメージ広がらないし、伝わりにくい。



(今回の伝承部分は、小説家になろうに連載の過去作品の世界のものです。ぶっちゃけこういう小話集を書こうとして爆死した下書きだよ!)

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