第10話 意味わからない!


「守り抜くとか言って遅くなってごめん」


「どうも、貴方を迎えに来ましたお姫様」


「迎えに来ましたお姫様」

私に言った生田いくたくんは絵本とか漫画の中の王子様のようだった。




「お姫様って!!……って私が好き!?」

ボッと全身の熱が顔に集まるような

お姫様と言われて浮ついているような

ドキドキとふわふわが止まらない。


「驚いた?」

クスリと笑う姿にさらに顔が赤くなった気がした。

クラスで目立たない空気な私が好き?

なんてどうかしてるのではないか??罰ゲーム??

ネガティブな思考になってしまう私は生田いくたくんの告白を驚きつつ、嬉しいと思いながらもどこか実感がなく、夢であってくれと願っていた。



でも、踏み出すのが怖い。


「 い、意味がわからない!私なんかに告白して

ドッキリでもしたつもりですか!?」


そう、口走ってしまった


「そう、お前はそう思うんだ……」

感情のない声にハッする、

天邪鬼、やってしまった。



「ごめんなさい」


やっぱり私は人を不幸にするようだった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る