第9話 迎えに来ましたお姫様

羽純はすみは優しくて、俺にいつも話しかけてくれる。

俺だけじゃない、皆にだ。

浮ついた声や甘ったるい声なんかじゃなくて、落ち着いた声はとても気持ちがいい。

優しくて、笑顔が可愛い羽純はすみのことをクラス一の美少女(笑)に語られたくない。


今は彼女は戦っている。俺は踏み込めない

けど、泣いている彼女を見て見ぬふりはできなかった。

羽純はすみ?」

だからこうやって話しかけた

驚く顔にほんの少しの加虐心

羽純はすみ生田いくた君、私が勝手に泣いただけですから…」

やっぱり羽純は優しい。

勝手に泣いただけと言いクラス一の美少女(笑)を庇う

尊い自己犠牲だと内心笑いたくもあるが、彼女に嫌われたくはない。

こんな黒い感情は羽純はすみには見せられないな。俺の心とは裏腹に騒ぐ清良せいら「はぁ!?この子の肩を持つって訳!?」


生田いくた「泣いてる女子を放っておけねぇんだよ」

清良せいらは出ていってしまった。

まぁいい、好都合だ。俺は決めた。

彼女に告白すると

「どうして、あんなことを言ったんですか?」

「…だから、」

「え?」

「好きなら守り抜くのが、男だろ…」

「俺は羽純はすみお前が好きだ」

「守り抜くとか言って遅くなってごめん」

「あの、えっ」

「どうも、貴方を迎えに来ましたお姫様」

柄では無いけど膝を立てて恭しく、従者のように俺は羽純はすみに言った

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