第6話 恋をするということ

間違えたとはいえ、好きな女子の席で寝てしまった俺。

…思い出すたびに恥ずかしくなるな…。

羽純はすみは優しくて、俺にいつも話しかけてくれる。

浮ついた声や甘ったるい声なんかじゃなくて、落ち着いた声で…

「なに、照れてんだよ、むっつりスケベ」

「うるさい💢」

俺は羽純はすみのこと考えてたのに!!俺を現実に引き戻したのは友達の将暉まさき。中学高校と同じの腐れ縁だ。

羽純はすみだっけ?あの子案外可愛いよな」

奇麗系美人って感じ?

「いって、明人あきと何すんだよ」

「俺のだ。バカ」

将暉まさきを軽く小突いた。

「あーはいはい、あんたの奥さんでしたけね」

「あの子、羽純はすみにそのすましたツラいつまで持つのかね」

ケッと面白くなさそうに言う将暉まさき

「…すましてなんかねーよ、俺は羽純はすみが好きなだけだ。」

本人にもそう言えたら良いのにな、と軽く唇を噛んだ。

「上手くいくといいな、あの子と」

「ああ、」


恋をすることはもどかしくて、もっと彼女を知りたいと思うことなのだろうと俺は思うのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る