第5話 隣のあの子は

いつもより、早く学校に着いたと思ったのに、いつもと何かが違う。

「起きましたか?」

!!?

話かけられた拍子に驚き、ガタッと大きく椅子を揺らしてしまった。

クラスの奴らにはめっちゃ見られた。

恥ずかしい。

羽純はすみの顔をどうやって見ようと、考えていたら、なかなか眠れなかったのに

目の前に羽純はすみがいる。

冷静になれるわけがない。

けど、彼女を怖がらせるわけにもいかないからこう言った。

「えっ?俺、何してた?」

「…生田いくたくん席間違えてそのまま寝てたんですよ?」

恥ずかしそうに顔を赤くして話す羽純はすみ

「ごめん!!!」

俺は土下座する勢いで羽純はすみの席の椅子から降りて謝った。


「えっと??」

困惑する羽純はすみもかわいい

…じゃなくて席を間違えた俺は最低だ。

女の子の席に俺が座るなんて恥ずかしさで死ねる。

「俺が起きるまで羽純はすみはどうしてたんだ?」

生田いくたくんの席を借りてましたから大丈夫です」

まじかよ、こっちの心は全然大丈夫じゃない。

自分の席に座れるかな。

羽純はすみの座った席と考えると自分の席のただの椅子が何だか気恥しくなった。

はぁ~最低だ俺、どうしよう。

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