第3話 本当は…好き
羽純
クラスの中でも目立たない部類の
席は隣。
授業をいつも真面目に聞いていて、図書委員で出席番号は23番。どこから学校に通っているのかは知らない。最寄り駅も知らない。
センセーから出席簿を借りて読んだから、自分のクラスの奴は一応全員覚えたから
…多分。
その横顔からきっと、海が好きなのだろうなと思うけれど、天邪鬼な俺の口からは彼女が本当に海が好きなのか聞き出すことが出来ない。
…本当は話したい。
女子と話すとなんだか、恥ずかしいようなむずがしいような感じになる。
俺が
思い切って話しかけたら、「は?」と冷たい目を向けられてしまった。
その時初めて
「綺麗な歌声じゃん」と言っただけなのだが。
「は??」
「というか、私の名前…」
「名前ぐらい知ってる、
「え、本当になんで知ってるんですか、
気持ち悪い」
「同じクラスなんだから当たり前だろ?」
名前は知ってるに決まっている。
なんなら彼女の名前の漢字も知っている。
「…知ってるに決まってるだろ」
思わず、小さく呟いたが、聞こえなかったようで安心した。
でも、気持ち悪いと言われたのは流石に凹む
「(同じクラスだから、当たり前だろ…
かぁ)」
我ながらキザなことを言ったなぁと思う。
隣の
本当は同じクラスだから
-俺、
でも
-月に一度の席替えである。
俺は
―主文は、
はああああああ!!??
思わず二度見ではなく三度見をしたのは、国家のプロジェクトとして俺と
どうやら、俺と
俺と
…
いやいや良くない。
グルグルとしながら書類を読んでいたら
妹の
嫌です。無理です。見せません。
はーー、明日からどうやって
俺は国から届いた書類で顔を覆った。
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