天然でドジなところもあるけれど前向きで心の優しい少女・つららが、ミステリアスで半妖の少年・九十九と出会ったことでアヤカシの世界を、そして自分の従兄や幼馴染の隠された真実を知ることになる。
まさに奇々怪々な青春物語です。
とても丁寧に心理描写を重ねておられる印象です。
だからこそ、胸がぎゅーっと締め付けられるようなシーンもありますが、主人公のつららの明るさに読者も助けられます。
そして最後には収まるところに収まる。
読後感が良いです、本当に。
気持ちがあったくなると言いますか。
しみじみとホッとしますね。
優しい物語です。
あやかしと青春ものがお好きな方は是非。
まずは第一章の終わりまで読んでみてください。
第4回角川文庫キャラクター小説大賞の一次を通過したのも頷けます。