第3話

母親を―して歩き出した、なれるんだから、なってみせるよ。

公園に辿り着いてたくさんの人を―人のような何かを見た

みんな、みんな、それになろうとしていた。

「なれなかったんだよね」

女の子が私を、僕を、俺を嘲笑う、違う微笑んだ

そうだったと返したかった

女の子が視界から消える、何にもわからなくなって真下へ落ちる。

「そうだったんだ」

声は続いて行く、自分はそうなれなかったから?自分はそうだったから?そうなりたかったから?

「わからないよ。」

「わからないんだ。」

「わからないかもね。」

自分の声が壁に反響していく、真っ暗で冷たくて真っ白で―真っ白で?真っ黒で?

「わからなかったよ。」

諦めた声が最後に反射して自分は床にたたきつけられて

真っ白な?真っ黒な?真っ赤になった。なりたかったんだ。

きっと目指した道に生まれ変われる、猫は犬になれるし犬は猫になれるし鼠は象になれるから。

だから私は、僕は、俺は。


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