出会い
第2話 出会い
これは、とある男子高校生の体験談である。
生徒は皆、授業中、教室のドアが開くと、一斉にその場所にいる人を注視する。その注がれた視線を浴びる勇気を、俺はまだ持てない…。
ある日の授業中である。その日は、腹の調子が凄く悪かった。
(こんなことなら休み時間にトイレに行っとくんだった…)
そんなことを思いながら、耐えに耐え、ついに絶えられず、授業中に恥辱を晒して、トイレに向かった。
そして、男子トイレの個室に入り、あいつに出会った。隣り合っている俺と全く同じ境遇のあいつに…
あいつは言った。
「俺たちが出来るだけ恥ずかしさを軽減する方法は、三つある。一つは、少し時間はかかったけど小の方でしたよ~的に、速攻で大の方をだして、速攻で教室に戻ることだ。しかし、この方法はもう、俺達には手遅れだ。二つ目の方法は、休み時間までここに滞在し、休み時間に教室に戻ることだ。途中で教師が心配してここに来ることがなければ、使えるぞ。そして、三つ目の方法は、かなりリスクが高く、人によっては恥ずかしすぎて使えないかもしれないが、腹がヤバイんです~的に、何度も何度も教室とトイレを行き来する方法だ。三回目以降は全然恥ずかしくないぞ!」
俺は聞いた。
「ちなみにあなたはどの方法をつかうんですか?」
あいつは言った。
「二つ目だ。」
俺は言った。
「ありがとうございました!僕も二つ目をやりたいと思います。ところで、こんなところでなんですが、友達になりませんか?」
「…」
あいつは、黙ってしまった。それでも俺は聞いた。
「どうかしましたか?」
返ってきた言葉は、
「紙がない。」
ふと、自分のところも見ると、そこに紙はなかった…
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