In the crisis

第1話 ランニング

これは、とある男子高校生の体験談である。

　ある日俺は、部活で一番強くなりたくて、帰宅後、自宅から５km程度の公園までランニングをしていた。とても汗をかいた。一息ついて家に帰ろうとした時、トイレに行きたくなったので、園内のトイレに行った。

　しかし、男子トイレは清掃中だった。漏らすよりかはましかと思い、恥ずかしさを感じながら、誰もいないことを確認して、女子トイレに入った。

　しかし、すぐ出た。何故ならとてつもなく臭かったから。どこかで女子トイレは男子トイレよりも臭いということを聞いたことがあったが、本当だったんだなと実感した。

　こうして、家に帰ることを決めた。そう、地獄の始まりだ。まず、第１波がきた。ちょっとやばいと感じ、俺は走った。しかしそのせいで、第2波がきた。

　悟った。速さも必要だが、冷静さも必要だと。そこで思い付いた。競歩を。

　成功した。順調な歩みに「き・は・じの法則」が成り立つな♪なんて思いながら、家まであと２kmとなったところで、第3波がきた。

　無心になった。結構危なかった。たたみかけるように第4波がきた。歩き方がぎこちなくなった。

　そして、第5波。何度諦めようと思ったか、数えていた。

　最後に第6波。翼が生えた…

　家に着いて、トイレに駆け込み、恐る恐る見た。なかった。引っ込んでいたようだ。