第9話 そういう事は先に言え。
はい私浮かんでる。宙に留まる羽付き猫こと私只今浮かんでおります。動いてねえよ静止だよ。オイ。
なんで!
あわあわするけど落ちはしない。かといってどうにもならぬ。ええいどうなってんだ。
てかつまり、羽動かさんでも飛べるってか。
そういうことは先に言え。
私怒っても許されるんじゃない?マイペースとはいえ飽きるよって言いながらちゃんと練習してたのに!
で、これは何をどうやって飛んでるのか!私一度壁に戻りたい!
って思ったら動いた。後ろ向きのままで進んだ。いや戻った。へい、バックオーライ。
何コレ意思の力とか言いますか?いや意思は行動に対する指示であって動力じゃねえし。動力は筋力でない。だって体は動かしてない。てことは何だらう。
ええと、不思議力?まさか魔力、とか?そんなものあったのか!私!
まままま魔法?魔力?すっげ。まじすっげ。
そっか魔力かー。飛ぶの楽になるかなラッキー。
練習かねて調子にのって飛んだら力尽きて落ちた。壁の上でべしゃってなったよ。ぐえ。猫なのに蛙みたいな声が出た。
無尽蔵魔力とかそこまで都合よくは行かないみたい。初めてむちゃくちゃお腹減った。
えい。適当に虫食べる。美味しい。でも足りない。これあれかな。やっぱり主食の果物だね。そうかあれが魔力のもとか。なるほど納得だ。
魔力使わなくても体動かすと飛べる。省エネばんざい。頑張って飛ぶ。針葉樹に向かって、飛べ、私!
はーはー。私頑張った。果物美味しい。ちょううまい。
はあ助かった。げふっ。ごちそうさま。
エネルギー切れ注意だな。ペース配分考えて半々くらい?うん適当。魔力の運用も羽と足で飛ぶのも練習が必要みたい。面倒なのは嫌だけど全部使って生きたいから。やってやるのだよ。
さて今日は早めの夕食だったから、もう少しおやつつまんでから寝ようかな。
前世だと太っちゃうとか思ったけどこの体猫ならちょっと太ったくらいで気にしない。コロコロ太った丸い猫は可愛いからね!まあ健康に問題出るほどはまずいか。うん、そこは程々に。運動はたっぷりできるもの。
夜食はコオロギとバッタとカマキリで。何故かナッツサラダ味だった。コオロギがナッツで、バッタがレタスでカマキリがキャベツっぽい。ほんのり甘い。美味しいけどマヨネーズ欲しい。…鶏卵ー。
やはり鳥が必要であると。鶏ですね、鶏、バッチコーイ!
初めて遠吠えしたよ私。だみ声でんにゃおーって。猫って遠吠えしたっけ?発情期のうにゃうにゃぐらいじゃない?私発情期はないよね生殖器無いもの。………ホント何者。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます