第2話 それ、私じゃなくて薬品で良くない?
めんどくさい・・・とてつもなくめんどくさい。
学校が終わったら遊びに行こうと思ってたのに、よりにもよって事務所に行く事になるなんて思わなかった。
そんな事を思いながら私はリヴィルの扉を開けた。
「ロル、ようやく来たか。とりあえず学校お疲れ様。
だが、残念な事に悪い知らせが入ってきてな お前が通ってる「ユグドラシル」なんだが、そこで人殺しがあった。」
「往人でも冗談を言うことがあるのですね
私はその人殺しがあった所から事務所に来たのですよ?もし本当に人殺しがあれば先生方が騒いで生徒を避難させたりするでしょう?」
と言うと1枚の写真を見せてきた。
その写真には教頭先生の死体が写っていた。
「これが、今日の昼に送られてきた写真だ
その後裏に書いてた番号に連絡すると、ナミエと言う方が出たらしく、本部がこの案件を俺達リヴィルにまかせると言ってきた。」
ナミエ先生と言うとユグドラシルの教師で主に実践魔法の授業を担当してる人だ。
「お前達生徒に知られていないのはナミエ先生が被害の拡大、生徒の混乱を避ける為に認識阻害魔法を使用したんだとよ。
本当に魔法って便利だよな、俺も使いたいぐらいだ。」
往人は魔法が使えないからか、羨ましそうな顔をした。
「便利と言えば便利ですけど、その分面倒なんですよ?
魔法にも得手不得手が存在しますし、何より!な に よ り!
特殊系とか!日常生活で全く役に立たないのに、それしか伸び代のあるものがないって悲しすぎます!」
「何を言ってる、認識阻害魔法も特殊系だろ?なら、隠したい凶器や刃物残すべき痕跡を消せるじゃないか。
まぁ、ロルの場合隠すよりも暴く方が得意だから確に辛いかもな。」
そう、往人の言う通り私は特殊系の中でもそれを解除したりする方が得意なのだ。
だから、魔法が使えても余り嬉しくない。
「それに、俺から言わせてもらえば暴く系の魔法が得意な奴の方が心強い、今まではその手の薬品とかを使って認識解除をしてきたからな。」
確に往人は魔法が使えないのだが、この人は魔法の痕跡を目で見ることが出来る。
いわゆるチートに近い眼の持ち主なのだ。
その代わり、その眼にマナがごっそり持っていかれてるから低級魔法ですら使う事が出来ないんだけど、この事はリヴィルのメンバーと本部の上層部しか知らない。
この情報が漏洩した場合、往人の眼を目的とした殺人や誘拐が発生しかねないからだ。
「で?往人が私を事務所に呼んだ理由はこの事件が収まるまで安全な事務所に匿ってくれるから、なんですよね?」
わかってはいるが一応抵抗しておく。
「そんな分けないだろ
お前みたいな優秀なバディが居るんだ。
今から現場調査に行くんだよ」
と往人は当たり前の様に私の背中を押して事務所を出るのであった。
「学校にとんぼ返りするんなら、わざわざ事務所に呼ばないでくださいよぉ〜」
それは、白い息が出る程寒い 冬の出来事だ。
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