少しチクリとしますよ~

 注射器ってナースや医師が使うイメージがあるよね。武器としてあまりイメージないかもだけど、使い方次第では魅力的だと思ってる。もちろん、現実で使ってはダメですよ? 使うなら創作の中にしましょう。



 抜粋パートでは注射器を使うのはフィールというキャラです。敵はイグニス。アリシエは……本編だと絡んできますが、今回はまぁ気にしないでください。抜粋パートとだけあって本文コピペしてるので。



☆抜粋パート

 アリシエとイグニスの戦いを遠くから見たフィールは、すぐさま動き始めた。イグニスとの間合いを詰めながらも、衣服の内ポケットに手を入れる。そこから銅色の注射器を取り出すと、整った顔が不自然に歪んだ。


 フィールの手に握られた金属製の注射器。そのシリンジには既に薬液が入っている。注射器の先端に手早く注射針を取り付けると、右の親指がピストンの端に乗せられた。濃い青色の瞳が、イグニスの首筋をその背後から見据える。


 それは僅かな間の出来事であった。イグニスに背後から接近したフィールが、その首に注射器を突き刺す。イグニスが顔を動かすより早く、親指がピストンを一定の速度を保って押した。薬液が注射針を通過し、イグニスの血中へと流れていく。

(「16-5 越えてはいけない一線」より抜粋)



【解説】

というわけで、注射器の基本的な使い方や薬液投与方法について解説していきます


①使い方

まず、薬液に針を入れ、ピストンを上げることで薬液をシリンジの中に入れます。薬液を必要な量、シリンジに入れたら気泡抜きを行います。そして、針を皮膚に刺してピストンをゆっくり押し、薬液を投与する……

※気泡ぬき

シリンジを軽く指ではじくことで、シリンジ内に入っている泡を上方に集めます。そして、その集めた空気をピストンを押すことでシリンジの外へと出し、気泡ぬきとします。

これをしないと血管の中に気泡が入ってしまいます。血管の中に気泡が入ると、空気閉塞と呼ばれるものがおこり、様々な不調を引き起こします



②投与方法

注射器で薬液を投与する場所は限られます。静脈、筋肉、髄腔内、皮膚の下(皮下)の四つが主です。特徴をあげるなら


静脈→正確な用量を速くかつ適切に、全身に行き渡らせることが出来ます

筋肉→大量の薬投与が必要な場合は皮下より望ましい。長い針を使います

髄腔内→麻酔や鎮痛剤などの投与に使います。あまり一般的ではありませんので割愛

皮下→おそらくメジャーな方法。毛細血管を通じ、長時間かけて薬剤投与を行います


こんなところでしょうか。よく使われるのは静脈、皮下の二種類だと思います



③注射器の種類

実は注射器の材質としては金属、ガラス、プラスチックの三種類があります。最近だとプラスチック製のものが一般的かな。昔だと、金属(銅とか)製のものが一般的でした。

プラスチック製は基本的に使い捨て。ガラス製は用時滅菌して繰り返し使用します。金属製の方は……おそらく当時有力とされていた方法で滅菌されたのかと思います(ごめんなさい、手持ちの資料では見つからなかった)。





こんなところでしょうか。とりあえず、悪用は絶対しないでください。注射器って意外と危険です。気泡ぬきの時に力加減間違えると針が飛んだりしますし……

創作で使うなら、薬物投与の他に魔法を打ち込むとか針を作り出すとか、そういうのにしても面白いかもですね

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