魅力的な鎌、登場させない?
今回はマイナーと思われつつもゲームなどでよく使われる「鎌」について解説していきましょう。鎌、ロマンですね。まず、鎌という武器についてざっくり説明しましょう。
※鎌(大鎌)
本来は農業で用いるための道具。戦闘用に作られた鎌は実在こそするが、あまり用いられなかった。これは鎌の使い勝手の悪さが原因。主に使ったのは武器を持たない農民であり、反乱のために臨時の武器として用いたとされている。
こんなところでしょうか。では抜粋パートも。あくまで「私はこう書いたよ」というだけですので参考程度に。
☆抜粋パート
矢に気を取られていた三人の背後、宮殿を囲む壁の上に武芸者の姿があった。その手に構えているのは、背丈とそう変わらぬ高さを持つ大鎌。頭上から襲いかかろうと隙を狙うその武芸者に、三人はすぐには気付けなかった。その反応の遅さが仇となる。
「上だ!」
アルウィスが武芸者の存在に気付いて声を上げた時、すでに武芸者は壁から飛び降りていた。さらに、道行く国民に紛れていた敵がいる。武芸者としての殺気は愚か、存在感すら悟らせない彼に、アルウィスは真近で接近されるまで気付けなかった。彼は背後からアルウィスに襲いかかることでその動きを封じる。
大鎌を持つ武芸者が頭上からダンに襲いかかる。助けようにも、襲われているアルウィスはその対処に追われ、動けない。今身動きが取れるのはレイピアを構えた金牙だけ。その金牙は、アルウィスの声でようやく、頭上にいる武芸者の存在に気付いた。しかし気付いた時にはもう、武芸者は目と鼻の先にいる。武芸者が大鎌を横に薙いだ――。
(「3-3 奇襲は突然に」より抜粋)
【解説】
まず抜粋パートの釈明から。裏設定として、この鎌の使い手さん、農民です。金目当てで襲いに来た、少し腕の立つ農民です。だから慣れている鎌を使い、かつ上から襲わせることで刃の部分でキャラを狙いやすくしたという裏事情があります。
さて、真面目な解説に入りましょう。まず武器としてよく使われる鎌で誤解されているであろう点を、欠点を箇条書きにして解説します。
①突く、切る、と言った攻撃が薙鎌などの一部の長柄以外出来ない
これは鎌の形状が原因ですね。正直、突いてり切ったりするなら槍や刀を使った方が早いです。わざわざ使いにくい鎌を採用する必要がないわけです。よほど武器に困っていない限り、攻撃手段として鎌は選ばれなかったんです。
鎌は湾曲した刃(もしくは歯)を持っています。で、「引いて刈る」ための内側に刃が付いています。外側に刃が付いていないため、切る動作がやりにくい。さらに、湾曲した刃を持っているため、突く動作もやりにくい。という形状の問題があるわけです。
②薙ぐ場合も手前に引く動作が必要となるために、有効間合いが意外と狭い
要するに、鎌は意外と間合いが小さい、ということです。先に説明したように、鎌の主な使い方は「引いて刈る」です。攻撃するためには「薙いだ後に柄を手元に引き寄せ、物を刈り取る」という動作が必要なわけです。
可能なら図で説明したいぐらいですが、抜粋パートを用いて説明しましょう。
抜粋パートでは壁(人の背丈より少し高いくらい)の上に大鎌の使い手がいます。そして壁の近くに金牙なる人物が、壁に背を向けた状態で、レイピアを構えて立っています。鎌の使い手は、近いところにある金牙さんの首を刈るために鎌を薙ぎ、手元に引き寄せた、というわけです。
鎌の不便な点はやはり刃の位置ですね。内側にあるため、刈り取るにしても、器用に操らないといけません。また、手元に引き寄せる動作が必要なため、鎌が大きくなればそれなりの腕力が必要です。
③突き立てるように使う場合も射程が致命的に短いことが欠点
これは柄の長さにもよるかもしれませんね。鎌は湾曲した刃を持っているのですが、この刃の先端を突き立てるように使う場合、刃の形状のせいで、有効間合いが柄の長さより短くなります。「突き立てる場合、鎌の全長より有効間合いが短くなる」と覚えていただければ間違いないと思います。
こんなところでしょうか。大事なのは
全長より間合いが短くなる
薙いだ後に引いて刈る
の二点ですね。
背後から敵を狙い、首を刈り取らせる
なんてさせたら盛り上がるかもですね(保証はしません)
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