手裏剣はこうやって使う

 みんな大好き手裏剣! 忍者と言えば手裏剣! というわけで今回は手裏剣について解説(?)してみるよ!


 とりあえずタイトル長くて書くのをやめたくなる抜粋パートからどうぞ!


☆抜粋パート

忍が、雄叫びに反応して動きを見せる。ダンと狂人となったアルウィス目掛けて、懐に持っていた手裏剣を投げたのだ。アルウィスは足でその軌道を逸らす。だがそれは、ダンを守る為ではなく「忍に向けて手裏剣を弾こうとした」ため。狙いを逸れた手裏剣は、窓ガラスを割って屋敷の外へと飛んでいく。

(「8-3 守るための代償」より抜粋)


【解説】

 手裏剣、それは主に「敵への牽制目的」で使われる武器です。何十枚も持ち歩きはしませんでしたし、よほどのことがない限り使いませんでした。


 万能ナイフ代わりのクナイ、手裏剣の中でも万能とされていた棒手裏剣はそれなりに使われていたそうですが、ここではそれ以外の手裏剣……よく知られている星型の手裏剣について話します。


①投げ方

主な投げ方は四種類あります。ざっくりと書きますと


直打じきだ法→飛距離2m

半回転打法→飛距離3m

回転打法→飛距離5m

急回転打法→飛距離3m


 手裏剣って長くても5m、確実な線で取るなら2~3mしか飛びません。意外と飛ばない武器でして、これを敵に当てるとなるとある程度近付かなければなりません。扱いとしては中距離武器に近いと思います。


 余談ですが、日本では直打法が主流だったと言われています。棒手裏剣、ひょう、などの棒状に近い手裏剣は直打法を使うことが多かったんだとか。


②命中率と威力

 手裏剣は意外と命中率が低いです。外だと風の影響を受けますし、室内でも動く標的相手に命中させるのは至難の業とされています。それなりの熟練者であれば、ある程度の命中率を誇ることが出来ますが……基本的には五割命中すれば良い方とされています。


 また、殺傷能力はあまりありません。そのため、実戦では手裏剣に毒を塗り殺傷力の低さを補ったとも言われています。こちらも余談ですが、毒は物によっては高価です。なので、高価な毒の代わりに糞尿を塗りつけ、破傷風を引き起こそうとした時代があったのだとか。


③そもそもの目的

 手裏剣は追い詰められた時に、逃げるため仕方なく投げる、といった形で使われていました。忍者は戦うのではなく「生きて情報を持ち帰る」が主な目的になります。だから、確実に逃げるために「敵を怯ませるため」などとして手裏剣を使ったわけですね。

 命中しなくても逃げきるために。あわよくば敵に傷を与え、毒などによって動きを止める。足止めした上で生きて情報を持って逃げるのです。




 あとは……どうでもいい抜粋パートの解説でも。


 今回の敵は「忍」と書いてありますが、現実の忍と少し異なります。情報収集を行ってはいますが、それとは別に人を殺すことを依頼されている、という裏設定があります。暗殺しようと思えば出来たのでしょうが、守りが厳しい。そこで彼らは情報ではなく本来の目的である殺害を優先し、戦いを始めたわけですね。


 実際の忍者はもう少しまともな格好をしてます。周りの状況に合わせて服を変え、あたかも一般人のように振る舞う。そして敵を油断させた上で任務を遂行するわけです。

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