番外編…RICE処置

 ちょっと諸事情により原稿書く時間が限られているため、今回から少しの間は「戦闘描写に使えそうな知識」の番外編としてを紹介しますね。何でこれの方が楽なのかと言いますと、単に必要に応じて覚えたからですね。すっかり体に染み付いております、知識も技術も。


 戦闘描写じゃなきゃ嫌という方、最新の近況ノートをご覧ください。色々落ち着いたら元の戦闘描写に戻ります。本当にごめんなさい。番外編だし眠かったりで頭回らないのでタイトルも雑です。




 今回使えそうなものとして紹介するのは「RICE処置」と呼ばれるもの。捻挫の時などに使います。ひとまず抜粋文を、神威は薬師の知識が少しある前提。アリシエは患者さんです。



☆抜粋パート

 ようやく戦闘が一段落したアリシエはというと、書斎にて神威の手当を受けていた。痛めた右足は捻挫ねんざと診断。衣服の裾を細長く裂いて、患部を固定する包帯の代用とする。冷やす道具は無いため、アリシエを床に寝かせ、神威はその足元に正座。神威の膝にアリシエの足を乗せ、患部を心臓より高い位置に固定する。神威の手つきは、薬師の手ほどきを受けているのか、妙に慣れている。

(「5-4 黒人武芸者の実力」より抜粋)



【解説】

まずタイトルにある「RICE処置」について説明しましょうか。


※RICE処置

応急処置の基本である四つの頭文字を取ったものです。打撲や捻挫など、スポーツでよく起こる怪我の多くに使えます。現実でも使えますし、小説なら味方の介抱に仕えるものです



頭文字の意味について説明します


R→Rest(安静)

痛みのない姿勢で患部を休ませます

体重がかからないようにするのが大事で、板とかテープとかがあれば積極的に固定しましょう。


I→Ice(冷却)

患部を氷などで冷やします

なるべく、直接氷が患部に当たらないようにした方がいいです。ビニール袋などに氷を入れる、患部にタオルを巻き、その上から氷の入った袋を乗せる、などですね。

冷やすことには意味があって…

1痛みの緩和

2内出血や炎症を抑える

の二つがメインです。発痛物質とか血管収縮とか、色々ありますが今は割愛。

氷で冷やして少しすると、痛覚などが麻痺してきて無感覚状態になります。そうなったら一度氷を患部から離しましょう。そしてまた痛みが出てきたら再度冷やすようにしてください


C→Compression(圧迫)

包帯やテープなどで患部を圧迫します

圧迫により腫れを軽減することが出来ます。ですが強く圧迫すると血流が悪くなったり神経が圧迫されたりするので注意です。巻く強さを加減したりしてください。また、時々皮膚の色や感覚(皮膚をつまんで確認)を調べましょう。異変があれば圧迫を緩めます

余談ですが、圧迫したい部分にパットなどを入れるとより効果が期待できるそうです。もし何も無いなら、刀の鞘とかを代用してもいいかもしれないですね


E→Elevation(挙上)

患部を心臓より高い位置に保ちます

これにより内出血を防ぎ、痛みを緩和することが出来ます。ただ上げているだけだと辛いので、椅子やクッション、枕、なんなら膝を利用してみましょう。患部に合った高さにするのがポイントですよ



このRICE処置で対応できるとされているのは捻挫、打撲、肉離れ、です。余談ですが読み方は「ライス処置」です。




 ここからようやく抜粋文を用いた解説になります。神威さんが行った処置は下記の通りになります。

1衣服を裂いて作った布で患部の固定→代用包帯による圧迫

2アリシエを床に寝かせ患部のみ膝に乗せる→膝を使った挙上

さらに動かさないことで「安静」も達成しています


 RICE処置に則った応急処置を行ったわけですね。戦闘描写に生かすなら、体術や打撃武器による打撲などの怪我への対処、でしょうか。切り傷ですと処置の方法が少し変わりますが、知っていて損のない知識だと思います。

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