ムエタイってどんな武術?

 人類最強の武術との呼び声の高い「ムエタイ」。今回はムエタイについてわかる限りのことを話してみようと思います。


 格闘技も、刀と剣同様によく比較されますよね。正直、武芸って「必ず◯◯が強い」みたいな断言が出来ないんです。武芸のルール、戦う地形や状況、選手の体格や経験……様々な要因が複雑に絡んできます。だからこそ、物語が戦闘によって面白くなるわけですが。


 第一話を書いてから色々反省したので、今後はこの手の話を書く時は特定の武芸に特化した内容にしようと思います。



 そんなわけで早速抜粋パート。神威かむいというキャラがムエタイをモチーフにした技を使っています。急加速の部分は無視して読んでください。それではとりあえず抜粋パート、スタートです。



☆抜粋パート

急加速に遅れて反応する二人の武芸者達。その眼前にはもう、拳を構えた神威が迫っている。だが拳ではなく、遠心力を利用した力強い蹴り技が武芸者の大腿部を襲う。


 たったの一撃で、一人の武芸者は床に倒れたまま動かなくなった。神威の一蹴りが大腿骨を折ったからである。大腿骨が折れた激痛で武芸者は意識を失い、そのまま床に倒れたのだ。

(「5-4 黒人武芸者の実力」より抜粋)



【解説】

 ムエタイの肝はその身体操作にあると言われています。予備動作をしっかり行い、効率的に力を伝えることを主としています。また、肘や膝を使った攻撃も特徴ですね。これも「身体操作」に含まれています。


 それなりの使い手が全力の蹴りを放てば、大腿骨を折ることも可能です(ここは諸説ありますが)。抜粋文にあるように、大腿骨を折ることも、その痛みによって相手を気絶させることも不可能ではありません。


 さて、ポイントの一つ目は「体重をしっかりと乗せた攻撃」です。


 体重を乗せるために大事なのは予備動作。例えば、足で地面を蹴る→腰の回転→上半身の回転→遠心力→強烈なパンチ、みたいな感じです。ボクシングをイメージすると、予備動作がわかりやすいと思います。また、勢いより体術の乗せ方が大事です。


 さて、本題に戻りましょう。ムエタイに特徴的なものの一つとして、使う部位が挙げられるでしょう。ムエタイでは両拳、両肘、両膝、両足の八つを駆使して闘うのです。両肘、両膝はその構造上ダメージが大きく、格闘技としては珍しいと思います。



 せっかくなのでムエタイの主な蹴り技を箇条書きします


ローキック(相手の太ももを蹴る)

ミドルキック(相手の腕を蹴る)

ハイキック(相手の首から頭を蹴る)

ヒザ蹴り(主に相手の腹を蹴る)


 これが主な蹴り技です。ムエタイの試合では、パンチよりキックの方が配点が高いです。また、キックの中ではヒザ蹴りが一番配点が高いです。このため、ムエタイではヒザ蹴りを狙うことが多いそうです。



 次にムエタイとしてよく知られているのは「首相撲」。これは、文字通り相手の首をつかんで、相手の体勢を崩すことです。これにより、次の攻撃につなげることが多いとされています。というか、「首相撲」の直後の間合いの取り方が試合の勝敗を分けると言っても過言ではありません。


 首相撲で相手を固定し、固まった相手の腹めがけて強烈なヒザ蹴りを打ち込んでいく。


 さっき説明したヒザ蹴りを放つために用いられるのが首相撲なわけですね。余談ですが、実戦で首相撲をされるとなるそうです。ムエタイ選手は首相撲の対策などを練習しているから、対処できるのかもしれませんね。




 よかったら、参考にしてみてください。

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