青の廃墟( 終 )

 あの廃墟をもう一度見たい。

 存在するのかどうかもわからない廃墟を見つける為に、いくつもの歳月を要した。


 廃墟巡りが趣味になった。同じ趣味を持つ友人ができた。友人たちから、様々な情報を得た。かなりの数の廃墟を回ったが、それらしいものは見つからない。


 情報を集め続けた私は、ついにその情報を得た。「○○県〇〇市に、コンクリート製の、ぼろぼろの廃校がある」と。その地名は、彼女の生徒手帳に記されていた地名の近くだった。





 一面の真っ青な野原の中に、それはあった。


 川は、見当たらなかった。













 教室の床には、真っ青な宝石のかけら達が、光り輝いていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

青の廃墟 月乃 @tsuki__

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説