第20話生まれ変わりはこの中に
「……この中に、リル女王の生まれ変わりがいる。そういうことではないのか?」
部屋内が沈黙に包まれる。
「……だとしたら、一体誰が……。」
「……いや、普通に考えてサフィアさんなのでは?」
咲香はパンを口に入れながら話す。
「ええ。姉上は強いですし……。その可能性は高いと思います。」
「おい、なんでオレなんだ。そこは邪気と話せるアリナだろ。」
急に話が盛り上がり、スウォラが混乱する。
「姉上。そもそも、なぜアウルと日本を行き来するのか。それは日本にいた咲香ちゃんがリル女王の生まれ変わりで……。」
「ちょっと、アリナ。なんで私がリル女王なの。やっぱりそこはサフィアさんでしょ。」
スウォラは大きなため息をついた。
「……皆様。トモエがお呼びです。」
朝食を食べ終わって、少し暇を持て余していた時、それは唐突にやってきた。
「大事なお話があるそうです。城の最上階にいるそうですので、ご案内いたします。」
スサーはきっちりとセットされた白髪を触り、いつもより真剣な面持ちで歩いて行く。
サフィアを先頭に、アリナ、咲香の順でスサーの後ろを歩く。スウォラは咲香の腕の中である。
「私、ずっとあの部屋の中にいたので分かりませんでしたが、この城とても広くてきれいですね。」
アリナはきょろきょろと周りを見回す。
「ありがとうございます、アリナ様。しかし、この城はとても古いので、とてももろいです。城内を歩く時はお気を付けください。」
辺りは明るく広い廊下から、薄暗い階段へとかわっていった。
「……ここです。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます