第17話青い空
アリナのところに集まった邪気は、光り輝く太陽に照らされ、消えた。
残ったアリナは、その場で倒れた。
「ルグ村の、邪気全てが……。」
まぶしい光の下。青い空。
「まさか、あの邪気を……。」
咲香は倒れたアリナに近寄る。
「サフィアさん!」
咲香の瞳に、涙が溜まっていた。
「大丈夫です、アリナは、生きてる!」
サフィアはアリナに近寄り、抱いた。
「……咲香、走れるか。」
咲香は頷いた。
「行くぞ。」
咲香はスウォラを抱え、サフィアに続いて走る。
…………そう、邪気全消しのため。
「……何故、この地に。」
ルグ村の小さな城で、大きな騒ぎが起きていた。
「お前がやったのか?……トモエ。」
トモエはずっと、窓の外をながめていた。
「……いいえ。」
窓の外は、晴れ渡った空。今まで邪気の影響で暗かった空が嘘のようだ。
「村の邪気が全て消えるなど、お前くらいしかできないはずだが……。」
「……私では、ありません。」
トモエの声は、震えていた。
サフィアと咲香は走り続けると、小さな城が見えてきた。
小さな城の辺りには何もなく、ただ悲しく城が建っているだけだ。
「これ、本当に村か?」
「……多分。」
二人共息を切らしながら走っていたため、息を整えているところだった。
小さな城の扉の前に、一人の男が立っていた。
「……なんか、こっち見られてるぞ。」
男は二人をじっと見つめ、その後こちらへ向かってきた。
「サフィア様と咲香様。それとアリナ様とスウォラ様、ですね。トモエから話は聞いております。どうぞ、こちらへ。」
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